会社都合退職で変わるのは、雇用保険の給付が始まる時期と、受け取れる日数の2つ。自己都合なら7日の待期のあとに原則1か月の給付制限が付くところ、会社都合(雇用保険でいう特定受給資格者)には給付制限そのものが付かない。日数も違う。35歳以上45歳未満で被保険者期間が10年以上20年未満の人なら、所定給付日数は240日と120日。
会社都合退職のメリットは日数と時期
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「会社都合退職」は法令の用語ではない
労働基準法にも雇用保険法にも、会社都合退職という言葉は出てこない。給付の扱いを実際に分けているのは雇用保険の特定受給資格者という区分で、倒産、事業所の廃止、解雇、退職勧奨への同意などが入る。倒産等による離職が4項目、解雇等による離職が13項目。自分から辞めると言った場合でも該当することがあり、項目の中身は会社都合退職の条件で整理した。
退職願を出したかどうかで決まるわけではない。離職票に会社が書いた理由と、どういう経緯で辞めることになったのかを示す資料の両方を見て、最後に区分を決めるのはハローワークのほう。
自分がどちらかは、受給資格者証のコードで読める
手続きのあとに渡される雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)には、2桁の離職理由コードが入っている。11・12・21・22・31・32 なら特定受給資格者で、23・33・34 なら特定理由離職者。国民健康保険料の軽減を申請するときに窓口が見るのも、このコード。
自分の記憶と違う番号が付いていることがある。離職理由を離職票に記入するのは会社の側で、本人がその中身を目で確かめられるのはハローワークの窓口に行ってからなので、受け取った日にまずコードを見る。
給付制限、日数、受給資格の3か所で差が出る
給付制限は、2025年4月1日以降に離職した自己都合の人で原則1か月。その前に辞めた人は原則2か月。5年間に2回を超えて自己都合で離職していれば3か月、自分の重大な理由による解雇も3か月で、会社都合にはそもそも制限が付かないため、待期の7日が明ければ支給の対象になる期間に入る。
所定給付日数は、自己都合だと年齢に関係なく、被保険者期間1年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日。会社都合は年齢で段が増える。30歳未満なら5年以上10年未満で120日、10年以上20年未満で180日。35歳以上45歳未満だと1年以上5年未満で150日、5年以上10年未満で180日、10年以上20年未満で240日、20年以上で270日になる。
受け取る資格そのものの条件も違う。自己都合は離職前2年に被保険者期間が通算12か月、会社都合は離職前1年に6か月あればよい。勤めて1年に届かない人には、ここが効く。
国民健康保険料は、前年の給与所得の30%で計算される
倒産や解雇で辞めた人は、国民健康保険料の算定で前年の給与所得を一律30/100とみなしてもらえる。対象は特定受給資格者と特定理由離職者。期間は離職の翌日から、その日が属する年度の翌年度末まで。2010年4月に作られた措置で、総務省の行政相談の事例では、制度を知らずに手続きをしなかった人が1年間で約20万円多く払う結果になっていた。
申請しなければ適用されない。市区町村の窓口に自分で出す。
解雇なら予告手当、退職勧奨への同意なら無し
会社都合の中身が解雇であれば、会社は少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を払う必要がある。退職勧奨に同意して辞めた場合は解雇に当たらないので、この手当は出ない。雇用保険では同じ特定受給資格者として扱われるのに、手元に入る額は変わる。
日数が長いことと、日数を使い切ることは別
デメリットの側から見ると、給付日数の差がそのまま金額の差になるわけではない。厚生労働省が令和4年度に受給資格が決まった人を追った集計では、特定受給資格者が実際に受け取った日数は所定給付日数の5〜8割で、特定受給資格者以外では8〜9割だった。日数が長い区分のほうが、残して再就職している。
退職金は法律が義務づけた制度ではない。会社都合だから増えると決まっているわけではなく、金額も自己都合との差額も、各社の退職金規程が決める。規程に差の定めが無ければ、差は出ない。
給付制限が無いことと、すぐ振り込まれることも別の話。基本手当は4週に1回の失業の認定を受けてから支給される仕組みなので、会社都合で辞めた人でも、最初の入金までには申請と認定の日数がかかる。
自分の職場で確かめる
離職票を受け取る前にできるのは、記録を自分の手で残しておくこと。退職勧奨を受けた日付と相手、そのときの言葉、直近6か月の時間外労働の記録、労働条件通知書と実際の勤務条件の差。コードの判定で異議を出すときに材料になるのは、この手の記録。
workprevu の診断は、職場の条件を12の項目に割って記録する。辞めるかどうかを決める前に、いまの職場の何が自分の条件から離れているのかを項目ごとに見て、同じ職場の人の答えと並べられる形にしてある。





