年間休日の計算は、引き算と掛け算の2段で終わる。暦の日数から1年の所定労働日数を引けば休日の日数が出て、その所定労働日数に1日の所定労働時間を掛ければ年間の総労働時間が出る。日数だけを並べても、職場どうしの比較にはならない。同じ年間休日120日でも、1日の所定労働時間が15分違えば、年では61.25時間の差が付く。
年間休日の計算は引き算と掛け算
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暦日数から所定労働日数を引く
年間休日 = 暦日数 − 年間所定労働日数。この1行が出発点になる。
2026年の暦日数は365日。所定労働日数が245日なら年間休日は120日、260日なら105日になる。引き算の材料は2つだけで、就業規則の休日条項と年度ごとに配られる勤務カレンダーさえ手元にあれば、途中の計算を会社に聞かずに自分で最後まで進められる。カレンダーに休日の印が付いているなら、その印を数えた数がそのまま年間休日。
暦日数は毎年365日とは限らない。2028年は閏年で366日あるので、所定労働日数が前年と同じなら年間休日は1日増える。逆に、年間休日の日数を先に決めている職場では、所定労働日数のほうが1日増える。祝日が土曜と重なる年は振替休日が立たないぶん、同じ運用でも日数が落ちる。暦の並びから数える手順は年間休日は何日か、暦で数えるに分けて書いた。
休日が法定休日なのか法定外休日なのかは、この引き算には影響しない。影響するのは休日に働いたときの割増率のほうで、区別の仕方は年間休日の基準は週1回が起点にある。
日数を時間に直すと、差が出る
年間所定労働時間 = 年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間。
1日8時間の職場で計算してみる。年間休日120日なら、245日 × 8時間 = 1,960時間。年間休日105日なら、260日 × 8時間 = 2,080時間。差は15日ぶんの120時間になる。
1日の所定が7時間45分だと、同じ245日でも 245日 × 7.75時間 = 1,898.75時間。1日あたりでは15分、1週間でも1時間15分にしかならない差が、240日を超える労働日に掛け算されて、年では61.25時間まで積み上がる。
休日の日数と労働時間の長さは、順番が入れ替わることがある。年間休日115日・1日8時間の職場は 250日 × 8時間 = 2,000時間。年間休日105日・1日7時間30分の職場は 260日 × 7.5時間 = 1,950時間。休日が10日少ないほうが、年間の労働時間は50時間短い。日数だけを見ていると、この逆転は見えない。
上限から逆算できるのは、制度が決まっているとき
「年間休日の下限は105日」という数字をよく見るが、これは1日8時間・週5日を前提にした逆算で、法律が日数を直接決めているわけではない。前提が変われば下限も動く。
1年単位の変形労働時間制を入れている職場には、日数と時間の上限が別々に決まっている。長崎労働局の資料によると、対象期間が1年のときの総労働時間は法定労働時間の総枠以内、つまり 40時間 × 365日 ÷ 7日 ≒ 2,085時間以内。労働日数は1年280日以内で、1日の所定は10時間まで、1週は52時間まで、連続して働ける日数は原則6日まで。
労働日数の上限280日から引くと、365日 − 280日 = 85日。これがこの制度での年間休日の下限になる。105日より20日も少ない数字が出てくるのは、週ごとに40時間で引かれていた線を1年の総枠へならした結果で、繁忙期に長く働いた時間を閑散期の休みで返す設計になっているため。
通常の労働時間制度の職場では、年の総枠ではなく週40時間の線が毎週かかる。1日8時間なら週5日が上限で、週2日の休みを52週ぶん足して104日、ここに1日足りるかどうか。自分の職場がどちらの制度かは、就業規則の労働時間条項か、労使協定の有無で分かる。
12で割ると、残業代の分母になる
月平均所定労働時間 = 年間所定労働時間 ÷ 12。
1,960時間なら 1,960 ÷ 12 = 163.3時間。2,080時間なら 2,080 ÷ 12 = 173.3時間。この数字は、月給制の1時間あたりの賃金を出すときの分母になる。計算の全体は残業代の計算は、3つの掛け算にまとめた。
月給25万円で割ってみる。163.3時間なら1,531円、173.3時間なら1,443円。1時間あたり88円の差で、割増率1.25倍をかけた残業1時間の単価にすると、1,914円と1,804円という110円の開きになり、月20時間の残業では2,200円ほど手取りの側が動く。年間休日15日の違いは、休みの日数としてだけでなく、残業1時間あたりの単価としても出てくる。
年間休日に数えないもの
年次有給休暇は年間休日に入らない。もともと労働日として決まっている日に申し出て休む仕組みなので、年10日の有給が付いている人が全部使い切っても、年間休日の日数そのものは1日も動かない。別の枠にある数字。
代休と振替休日は扱いが分かれる。厚生労働省の説明では、振替休日はあらかじめ休日と労働日を入れ替えるもので、休日労働にはならない。代休は休日に働いたあとで代わりの日を休むもので、休日労働として割増賃金が発生する。年間休日を数えるときは、振替なら総数が変わらず、代休なら元の休日が労働日に回る。
夏季休暇や年末年始を「休日」と書いている就業規則もあれば、「特別休暇」として別枠に置いている就業規則もあり、同じ5日間の休みが片方では年間休日に数えられて片方では数えられないという差が、ここで生まれる。求人票の日数と自分の数えた日数が合わないとき、たいていこの境目でずれている。
自分の数字で出す手順
- 就業規則の休日条項を読む。週休の決まり、国民の祝日、年末年始や夏季の日付がどう書かれているかを見る
- 勤務カレンダーの休日に印を付けて数える。シフト制なら、直近12か月の実績で数える
- 暦日数から所定労働日数を引く。出た数が年間休日
- 所定労働日数に1日の所定労働時間を掛ける。年間所定労働時間
- 12で割る。月平均所定労働時間
シフト制の職場では、月8日の休みが12か月で96日。ここに年末年始や夏季の休みが乗って、100日台の前半に着地することが多い。就業規則に年間の日数そのものが書かれていない場合は、3の引き算を過去12か月のシフト表の実績から出すしかなく、月ごとの休日数にばらつきがあるなら、その幅も一緒に控えておく。
出した数字を、どこに置くか
全国の平均は1企業平均112.4日(年間休日の平均は112.4日)。ただ、平均との距離よりも、自分が前にいた職場や検討中の求人票と同じ式で並べたほうが、判断の材料になる。
年間休日、1日の所定労働時間、年間所定労働時間、月平均所定労働時間。この4つを同じ順番で記録しておくと、条件を比べるときに数字がそのまま使える。診断では、働く時間の決まり方を含めて職場の条件を記録に残せる。





