年間休日の日数そのものを定めた条文は、労働基準法にない。35条が求めているのは、毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4日以上の休日である。週1回を52週ぶん積んでも52日。よく目にする105日という基準は、休日の条文ではなく、労働時間の上限を定めた32条を経由した計算から出てくる。
年間休日の基準は週1回が起点
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休日の条文は「週1回」か「4週4日」まで
労働基準法35条1項が、使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないと定める。2項はその例外で、4週間を通じて4日以上の休日を与える場合には1項を適用しない。変形休日制と呼ばれる形だ。
この条文だけを基準にすると、年間休日は52日前後でも足りてしまう。4週4日を1年に引き延ばしても52日。実際の職場がその倍の日数を置いているのは、労働時間の上限という別の規定が効いているからで、休日の条文を何度読んでも105日という数字は出てこない。
105日は、週40時間から逆算した数字
32条は、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならないと定めている。ここから年間の労働日数の上限が決まる。
1年は365日なので、週に直すと52.14週。1週40時間をかけると、年間に設定できる所定労働時間は約2,085時間になる。これを1日8時間で割ると約260日。365日から260日を引いた105日が、1日8時間の勤務で週40時間の枠に収めようとしたときに必要になる年間休日の目安で、この計算の結果が最低ラインとして流通している。
計算の前提は「1日8時間」。ここが動けば、答えも動く。
法定休日と法定外休日は、割増率が違う
35条が求める週1回の休日を法定休日、それを超えて会社が置いた休日を法定外休日と呼ぶ。年間休日105日のうち、法定休日は52日ぶんで、残りの53日は会社が独自に定めた休日という内訳になる。
区別が効くのは、休日に働いたときの割増賃金。法定休日の労働は3割5分以上、法定外休日の労働はそれ自体に休日割増が付かず、週40時間を超えた部分が時間外労働として2割5分以上の割増になる。労働基準法37条と、割増賃金率の最低限度を定めた政令による。
どちらを法定休日とするかは、就業規則で特定されていないこともある。特定されていれば、日曜に出た週と土曜に出た週とで、同じ1日の出勤でも手当の計算が変わってくる。確かめる価値はある。
休日、休暇、休業は別のもの
年間休日に数えるのは「休日」だけである。
| 区分 | 意味 | 年間休日に入るか |
|---|---|---|
| 休日 | もともと労働義務のない日 | 入る |
| 休暇 | 労働義務のある日に、申し出などで義務を免除される日 | 入らない |
| 休業 | 労働義務のある日に、働けない事情で休む期間 | 入らない |
年次有給休暇は休暇。年間休日には含まれない。付与日数が勤続年数で決まる別の仕組みであることは有給休暇とはに整理した。求人票の年間休日に有給の日数が足し込まれているなら、それは休日の数え方から外れている。
105日を下回っても、違反にならない場合がある
105日はあくまで1日8時間を前提にした逆算なので、前提が変われば下限も変わる。
1日の所定労働時間が7時間なら、年間2,085時間を7で割って約297日まで労働日を置ける計算になり、年間休日が68日でも32条には触れない。ただし35条の週1回または4週4日は外れない。
1年単位の変形労働時間制を採る職場では、別の限度がかかる。労使協定で定める対象期間が3か月を超える場合、対象期間における労働日数の限度は1年当たり280日と決まっていて、365日から引けば年間休日は85日まで下がる計算になるが、そのかわり連続して労働させる日数は原則6日までに抑えられ、1週間の労働時間の限度も52時間に制限される。繁忙期を特定期間として定めたときだけ、連続労働日数は1週間に1日の休日が確保できる日数(最長12日)まで伸ばせる。
35条や32条に違反した場合の罰則は、労働基準法119条に置かれている。
自分の職場を照らすときに見る3つ
基準と突き合わせるなら、確かめる順序はこうなる。
- 就業規則の休日条項。週休が何日で、祝日や年末年始をどう扱っているか
- 1日の所定労働時間。8時間なのか、7時間45分なのか
- 変形労働時間制の労使協定があるか。あれば対象期間と労働日数の定め
3つが揃えば、自分の年間休日が法律の枠のどこに位置するかは出る。ただし、何日あれば自分の生活が回るかは、そこから先の別の問題。日数が同じでも、連続して取れるかどうかで体感は変わる。





