テレワークを導入している企業の割合は、常用雇用者100〜299人で40.7%、2,000人以上で82.1%。規模でちょうど2倍の開きがある(総務省「令和6年通信利用動向調査」企業編、2024年8月末時点、有効回答2,330社)。全体では47.3%で、前年の49.9%から2.6ポイント下がった。ただし下がったのは小さい側だけで、1,000人以上の区分では上がっている。
テレワーク導入率、企業規模で2倍差
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調査は常用雇用者100人以上の企業だけを見ている
総務省が統計法に基づく一般統計調査として毎年やっているもの。事業所母集団データベースから無作為抽出した6,040社に郵送とオンラインで配り、2,330社が答えた(有効回収率50.9%)。調査時点は2024年8月末。
対象は常用雇用者100人以上の企業で、100人未満は入っていない。回答企業の従業者規模は、100〜299人が1,640社、300〜999人が499社、1,000〜1,999人が86社、2,000人以上が105社。大きい側の区分は回答数が3桁を切る。
ここでの「導入している」は、在宅勤務・サテライトオフィス勤務・モバイルワーク・ワーケーションのどれかを勤務形態として持っているかどうか。実際に何人が使っているかは別の設問で聞いている。
規模別の導入率は40.7%から82.1%まで
| 従業者規模 | 令和4年(n=2,428) | 令和5年(n=2,640) | 令和6年(n=2,330) |
|---|---|---|---|
| 全体 | 51.7% | 49.9% | 47.3% |
| 100〜299人 | 45.6% | 44.0% | 40.7% |
| 300〜499人 | 62.4% | 51.8% | 54.5% |
| 500〜999人 | 68.0% | 65.5% | 64.5% |
| 1,000〜1,999人 | 70.9% | 74.8% | 77.3% |
| 2,000人以上 | 68.7% | 90.0% | 82.1% |
令和6年の並びは一本の坂。規模が上がるほど導入率も上がり、100〜299人の40.7%と300〜499人の54.5%のあいだで13.8ポイント、500〜999人の64.5%と1,000〜1,999人の77.3%のあいだで12.8ポイント開く。段差が大きいのはこの2か所。
3年で動いた方向は、規模によって逆
全体は3年続けて下がった。51.7%、49.9%、47.3%。100〜299人も45.6%→44.0%→40.7%と同じ向きで、3年で4.9ポイント落ちている。一方、1,000〜1,999人は70.9%→74.8%→77.3%と3年連続で上がり、2,000人以上は68.7%から令和5年に90.0%まで跳ねたあと82.1%へ戻った。
「テレワークが減っている」という話と「大きい会社では増えている」という話は、この1つの表の中で両方とも成り立つ。どちらを見ているかで結論が反対になる。
導入されている会社でも、使っている人は一部
導入している企業(n=1,102、比重調整後)に、テレワークを利用している従業者の割合を聞いた結果がこちら。「5%未満」が39.3%で最多、「80%以上」は12.0%。前年は5%未満が36.9%だったので、2.5ポイント増えている。
導入形態は在宅勤務が90.9%、モバイルワークが32.4%、サテライトオフィス勤務が15.7%(複数回答)。
つまり導入率82.1%は、その規模の会社で8割の人が在宅勤務をしているという意味ではない。制度がある会社の割合であって、その制度の対象が全社員なのか特定の職種だけなのかは、この設問では分からない。自分の会社が「導入している」側に入っていても、対象から外れていれば手元は0日。
導入していない理由の1位は、仕事の側にある
導入しておらず予定もない企業の理由は、「テレワークに適した仕事がないから」が77.2%。次が「業務の進行が難しいから」33.6%、「社内のコミュニケーションに支障があるから」16.3%、「顧客など外部への対応に支障があるから」13.4%(複数回答)。
規模が小さい区分で導入率が低い背景には、この1位が効いていると読める。ただし調査は規模別の理由を出していないので、これは推定。
この数字を読み過ぎないための3点
第一に、対象が常用雇用者100人以上の企業に限られている。従業者100人未満の会社に勤めている人は、この表のどの行にも自分を当てはめられない。
第二に、1,000〜1,999人は86社、2,000人以上は105社の回答で成り立っている。2,000人以上が令和5年に90.0%まで上がって令和6年に82.1%へ戻ったような動きは、母数の小ささでも起きうる幅。
第三に、割合は比重調整後の数値で、回収率の産業差・規模差を補正したもの。調査時点は2024年8月末なので、その後に出社日数の運用を変えた会社は反映されていない。
自分の職場の値は、日数で数えるほうが早い
規模別の導入率は、自分の会社が制度を持っているかどうかの見当をつける材料。手元の実態とは別に動く。実態を知るなら、先月の勤務日のうち在宅が何日だったかを数え、そのうえでその日数を決めているのが就業規則か、部署ごとの運用か、その日の上司の判断かを確かめたほうが早い。出社は週何回か、働く場所は誰が決めるかで、その3つの見分け方を書いた。
規模の平均と自分の日数が離れていても、それだけでは何も決まらない。離れている理由が制度か運用かで、次に聞く相手が変わる。





