建設業の平均年収590万円、49%は500万円以下

建設業で1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は590.3万円。国税庁の民間給与実態統計調査、令和7年分(2025年分)の数字で、集計対象は410万7,505人。給与所得者全体の平均給与487万円を100万円ほど上回る。

ただし同じ表の給与階級別の人数を足していくと、500万円以下に49.0%が入る。平均の590.3万円はちょうど真ん中の人の年収を指しておらず、相場をこの1つの数字で押さえようとすると、400万円台に人数の山があることも、1,000万円を超える層が1割いることも、どちらも抜け落ちる。

590.3万円の内訳は給料・手当と賞与

区分 金額
平均給料・手当 503.5万円
平均賞与 86.8万円
平均給与 590.3万円

賞与が年収に占める割合は14.7%。月々の支給に換算すると、給料・手当の503.5万円を12で割って約42.0万円。手取りではなく、源泉徴収される前の支給額。

この調査でいう給与は1年間の支給総額で、給料・手当と賞与を合わせた額から給与所得控除を引く前の金額にあたり、通勤手当などの非課税分はここに入らない。

給与階級別に見ると、山は400万円台

給与階級 人数 構成比 累積
100万円以下 99,452人 2.4% 2.4%
100万円超200万円以下 244,291人 5.9% 8.4%
200万円超300万円以下 392,853人 9.6% 17.9%
300万円超400万円以下 610,833人 14.9% 32.8%
400万円超500万円以下 665,145人 16.2% 49.0%
500万円超600万円以下 581,618人 14.2% 63.2%
600万円超700万円以下 423,718人 10.3% 73.5%
700万円超800万円以下 314,233人 7.7% 81.1%
800万円超900万円以下 215,615人 5.2% 86.4%
900万円超1,000万円以下 141,180人 3.4% 89.8%
1,000万円超1,500万円以下 302,068人 7.4% 97.2%
1,500万円超2,000万円以下 77,094人 1.9% 99.0%
2,000万円超2,500万円以下 16,219人 0.4% 99.4%
2,500万円超 23,187人 0.6% 100.0%

人数がいちばん多い階級は400万円超500万円以下の66万5,145人で、全体の16.2%。次が300万円超400万円以下の61万833人。

累積が50%を超えるのは500万円超600万円以下の階級。真ん中の人はこの幅のどこかにいて、平均の590.3万円も同じ階級に入っている。平均と中位がほぼ同じ階級に収まるのは上に大きく外れた層が薄いからで、1,000万円を超える人は41万8,568人、全体の10.2%にとどまる。

男女で272.6万円離れている

区分 人数 平均給与 平均年齢 平均勤続年数
男 3,262,139人 646.4万円 48.3歳 15.3年
女 845,365人 373.8万円 50.1歳 13.4年

女性は84万5,365人で、建設業の給与所得者の20.6%。平均給与の差は272.6万円ある。

平均年齢は女性のほうが1.8歳高く、勤続年数は1.9年短い。年齢だけで説明はつかない。この調査は職種や役職で分けた集計をしていないため、272.6万円のうちどれだけが職種の構成から来ていて、どれだけが同じ仕事での差なのかは、ここから取り出せない。

平均年齢48.6歳、平均勤続14.9年

建設業の平均年齢は48.6歳、平均勤続年数は14.9年。給与所得者全体の47.3歳・12.5年と比べると、1.3歳年上で2.4年長い。

勤続年数が長いほど平均給与も高く出る集計なので、建設業の590.3万円には、この年齢と勤続の長さがそのまま乗っている。全体の平均と並べるとき、同じ年齢・同じ勤続年数の人を比べた数字ではないことを前に置いておく。

同じ「建設業の平均年収」で数字がそろわない理由

出どころが3通りある。上場企業の有価証券報告書だけを集めた集計、転職支援の会社が登録者から出した集計、そしてこの調査。数えている人の集まりが違う。

この調査は源泉徴収義務者を抽出していて、従業員10人未満の事業所も、個人経営の事業所も対象に入っている。上場企業に勤める人だけを数えれば額は上に出るし、転職を考えて登録した人だけを数えればまた別の値が出る。どれが正しいかを決める作業に意味はなく、何を数えた値なのかを確かめてから自分の額と引き比べることになる。

この数字で言えないこと

中央値は出ていない。この調査が公表しているのは平均と給与階級ごとの人数までで、階級の中での分布は分からない。

職種別の内訳も無い。施工管理、設計、現場の技能職がすべて「建設業」の1行に入っている。職種で切った数字は職種別の平均年収、11分類で606万円差で別の調査から整理した。

企業規模別の内訳も、この業種別の表には無い。年齢で切った数字は年代別の平均年収、ピークは55〜59歳にある。

残業の有無も分からない。支給総額に残業代が含まれるため、同じ600万円でも、月30時間の残業を積んで届いた人と、所定内の労働だけで届いた人が、この表では同じ階級に並ぶ。

集計対象は1年を通じて勤務した人に限られる。年の途中で入社した人、退職した人、産休や育休で支給月が欠けた人は、この集計から外れて別に数えられている。平均が上に出る理由のひとつ。

出典

  1. 令和7年分 民間給与実態統計調査 第9表 業種別の給与所得者数・給与額(国税庁、2025年分、建設業)
  2. 令和7年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告(国税庁、2025年分)