都道府県別の平均年収、東京は678万円

令和7年(2025年)の賃金構造基本統計調査で、47都道府県の月額と賞与から年収を組み立てると、東京の678.0万円が最も高く、青森の400.8万円が最も低い。開きは277.2万円、倍率では1.69倍。

この調査は厚生労働省が企業規模10人以上の事業所を抽出して行っていて、集計対象は一般労働者(短時間労働者を除く)で、47都道府県の労働者数を足すと約2,892万人になる。集計の単位は事業所の所在地。働いている場所で数えられていて、住んでいる場所は反映されない。

47都道府県の推計年収

年収は、きまって支給する現金給与額を12倍して年間賞与その他特別給与額を足した値。この調査に「年収」という欄は無いため、月額と賞与から組み立てた推計。

都道府県 きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 推計年収 労働者数
東京 448.5千円 1,397.8千円 678.0万円 572.5万人
神奈川 402.9千円 1,086.3千円 592.1万円 176.2万人
愛知 380.4千円 1,138.9千円 570.4万円 200.3万人
大阪 376.5千円 986.4千円 550.4万円 241.0万人
全国 370.5千円 1,009.6千円 545.6万円 2,892.4万人
兵庫 369.1千円 1,026.0千円 545.5万円 100.5万人
千葉 371.4千円 892.5千円 534.9万円 103.4万人
滋賀 362.1千円 991.6千円 533.7万円 27.5万人
京都 366.8千円 935.0千円 533.7万円 51.5万人
茨城 362.3千円 986.3千円 533.4万円 68.6万人
栃木 350.8千円 963.9千円 517.4万円 44.3万人
三重 356.9千円 883.0千円 516.6万円 37.1万人
埼玉 357.0千円 851.7千円 513.6万円 120.1万人
広島 351.9千円 910.5千円 513.3万円 57.5万人
山梨 348.2千円 924.2千円 510.9万円 15.5万人
静岡 345.8千円 911.9千円 506.2万円 85.0万人
福岡 342.7千円 890.9千円 502.4万円 107.7万人
奈良 350.6千円 803.2千円 501.2万円 17.7万人
香川 340.2千円 899.7千円 498.2万円 19.9万人
山口 338.9千円 914.9千円 498.2万円 25.1万人
宮城 342.3千円 885.6千円 497.6万円 50.6万人
岐阜 340.1千円 879.9千円 496.1万円 38.9万人
群馬 338.6千円 882.0千円 494.5万円 48.5万人
長野 334.8千円 899.3千円 491.1万円 41.4万人
石川 331.7千円 877.6千円 485.8万円 26.5万人
岡山 332.2千円 852.9千円 483.9万円 39.3万人
富山 329.7千円 877.7千円 483.4万円 24.6万人
福井 326.4千円 888.5千円 480.5万円 16.6万人
和歌山 329.5千円 814.0千円 476.8万円 14.1万人
徳島 327.9千円 775.8千円 471.1万円 14.8万人
北海道 322.8千円 792.0千円 466.6万円 105.1万人
愛媛 316.8千円 806.9千円 460.9万円 23.8万人
熊本 317.1千円 802.4千円 460.8万円 30.1万人
新潟 316.7千円 826.1千円 460.1万円 46.9万人
大分 318.5千円 751.2千円 457.3万円 21.0万人
福島 318.4千円 731.3千円 455.2万円 41.3万人
鹿児島 313.1千円 771.7千円 452.9万円 27.9万人
長崎 308.1千円 770.8千円 446.8万円 23.7万人
島根 311.7千円 724.7千円 446.5万円 13.2万人
佐賀 305.8千円 790.9千円 446.1万円 17.0万人
高知 306.7千円 629.8千円 431.0万円 12.8万人
鳥取 299.1千円 706.4千円 429.6万円 11.3万人
岩手 301.1千円 651.8千円 426.5万円 22.9万人
秋田 294.8千円 726.2千円 426.4万円 17.6万人
山形 293.5千円 715.8千円 423.8万円 21.8万人
宮崎 287.6千円 664.7千円 411.6万円 19.3万人
沖縄 294.8千円 576.8千円 411.4万円 26.0万人
青森 282.4千円 619.0千円 400.8万円 24.0万人

全国平均を上回るのは4都府県だけ

全国の545.6万円を超えているのは、東京・神奈川・愛知・大阪。5番目の兵庫は545.5万円で、全国との差は400円。あとの42県は下にある。

平均が真ん中に見えないのは、労働者数の偏りから来ている。東京の572.5万人は全国2,892.4万人の19.8%にあたり、5人に1人が東京の事業所で数えられていて、そこに大阪の241.0万人と愛知の200.3万人を足すと上位3都府県だけで約35%を占める。年収の高い地域に人数が集まっているぶん、全国平均は上に引っ張られる。

自分の県の数字が全国平均より低いとしても、それは42県に共通する並び方。

月額の順位と年収の順位は入れ替わる

千葉の月額371.4千円は、兵庫の369.1千円より2.3千円高い。ところが年収にすると534.9万円と545.5万円で、兵庫が10.6万円上に出る。賞与が892.5千円と1,026.0千円で133.5千円ちがうからで、月額の2.3千円はその差に飲み込まれてしまう。

同じ入れ替わりは奈良と福岡でも起きている。月額では奈良の350.6千円が福岡の342.7千円を上回るのに、年収では福岡の502.4万円が奈良の501.2万円を上回る。

順位表を見るときは、月の支給額の話なのか、賞与まで含めた1年の総額の話なのかで、読み取れるものが変わる。

賞与が地域差を広げている

所定内給与額だけで東京と青森を比べると、418.3千円と263.9千円で1.59倍。賞与まで含めた年収では1.69倍に開く。

年収に占める年間賞与その他特別給与額の割合は、東京が20.6%、青森が15.4%、高知が14.6%、沖縄が14.0%。賞与は法律で額の決め方が定まっていない部分で、支給するかどうかも就業規則や労使の取り決めに委ねられているため、地域や業種の慣行がそのまま数字に出る(賞与とは、額が確定していない賃金)。

地域差の一部は、月給の水準よりも賞与の慣行から来ている。

東京より残業の長い県がある

超過実労働時間数を見ると、東京は月10時間。年収で3位の愛知が13時間、2位の神奈川が12時間で、どちらも東京より長い。

短いほうは高知と沖縄の7時間、それに青森・秋田・鳥取・徳島の8時間で、年収の下のほうに並ぶ県が多い。

所定内実労働時間数では、東京の159時間が47都道府県で最も短く、和歌山の166時間が最も長い。東京は所定内の時間が最も短く、超過の時間も全国の11時間より短いまま、年収がいちばん高い位置にある。

この数字は働いている場所で数えている

事業所の所在地で集計されるので、埼玉や千葉に住んで東京の事業所に通っている人は、東京の欄に入る。埼玉の513.6万円、千葉の534.9万円は、その県内にある事業所で働く人の額。

住んでいる県の平均と、通勤先の県の平均は別のものを指している。

この数字で言えないこと

中央値が出ていない。この表が持っているのは平均までで、県ごとの分布を見るなら別の表に当たることになる。

物価や家賃の差も調整されていない。同じ400万円で何が買えるかは地域によって違うけれど、この調査が集めているのは賃金だけで、生活費の側は別の統計に当たることになる。

産業の構成の違いも分けられていない。県ごとに主な産業が違い、年収の差にはその構成がそのまま乗っている。業種を絞った数字はITの平均年収659万円、半数は600万円以下で別の調査から整理した。

年齢構成も調整されていない。平均年齢は東京43.4歳に対して青森と秋田が46.8歳で、3.4歳ぶんの差が年収の差にも入り込んでいる。年齢で切った数字は年代別の平均年収、ピークは55〜59歳にある。

労働者数の小さい県では、年ごとの振れ幅が大きくなる。鳥取11.3万人、高知12.8万人、島根13.2万人。前年と比べて順位が動いても、水準が変わったとは限らない。

出典

  1. 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別 参考表1 性、都道府県別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(厚生労働省、2025年)
  2. 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別 統計表の一覧(厚生労働省、2025年)