年代別の平均年収、ピークは55〜59歳

令和7年分(2025年)の民間給与実態統計調査で、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は486.6万円。年齢階層別に見ると55〜59歳の573.1万円が最も高く、そこを過ぎると60〜64歳で481.1万円まで落ちる。

この調査は国税庁が源泉徴収義務者を標本抽出して行っていて、令和7年分の集計対象は5,163万594人。給与明細に載る額そのものを集めた統計なので、求人票に書かれた想定年収や、転職サービスの登録者を集計した数字とは母集団が違う。

5歳刻みで見た平均給与

年齢階層 男 女 計
19歳以下 139.3万円 105.1万円 121.5万円
20〜24歳 293.8万円 265.4万円 280.2万円
25〜29歳 459.6万円 382.7万円 425.0万円
30〜34歳 528.7万円 375.6万円 461.9万円
35〜39歳 597.7万円 362.3万円 502.7万円
40〜44歳 647.8万円 370.1万円 531.2万円
45〜49歳 682.6万円 377.0万円 549.8万円
50〜54歳 714.8万円 375.5万円 567.6万円
55〜59歳 734.1万円 357.1万円 573.1万円
60〜64歳 612.5万円 306.8万円 481.1万円
65〜69歳 474.1万円 238.0万円 374.9万円
70歳以上 382.3万円 209.7万円 307.7万円
合計 596.7万円 341.8万円 486.6万円

20代前半の280.2万円から50代後半の573.1万円まで、292.9万円ぶん上がる。ただしこれは同じ人を追いかけた数字ではない。いま20代の人が30年後に573.1万円に届くという話ではなく、2025年時点でそれぞれの年齢にいる人の額を並べただけ。

男女で曲線の形が違う

男性は55〜59歳の734.1万円までほぼ一本調子で上がり、25〜29歳の459.6万円から274.5万円増える。

女性は25〜29歳の382.7万円がいったん頂点で、30〜34歳で375.6万円、35〜39歳で362.3万円と下がり、45〜49歳の377.0万円まで戻しても20代後半には届かない。25〜29歳から55〜59歳までの30年ぶんを引き算すると、25.6万円のマイナス。

同じ55〜59歳で男女を比べると、734.1万円と357.1万円で377.0万円の差。20〜24歳の時点では28.4万円しか離れていない。差は年齢とともに開いていく。

この調査は勤務形態を分けて集計していないので、ここから正社員と正社員以外の構成比の影響を取り出すことはできない。

60歳と65歳で2段階落ちる

55〜59歳573.1万円 → 60〜64歳481.1万円 → 65〜69歳374.9万円。2回の段差は92.0万円と106.2万円。

定年を境に嘱託や契約社員へ切り替わった人、勤務日数を週4日や週3日に減らした人、役職を降りて手当が外れた人が同じ階層に混ざり合った結果として、この2段の形になっている。制度の中身は分からない。

同じ年代でも事業所規模で200万円開く

年齢だけで見ると平均は1本の線になるけれど、同じ年齢階層を事業所の従事員数で割ると、線は何本にも分かれる。

年齢階層 10人未満の事業所 5,000人以上の事業所
25〜29歳 324.9万円 479.0万円
35〜39歳 421.6万円 601.0万円
55〜59歳 443.1万円 672.3万円
65〜69歳 370.8万円 272.1万円
合計 397.9万円 547.5万円

35〜39歳で179.4万円、55〜59歳で229.2万円の開き。年代別の平均値を自分の年収と比べるとき、この幅のどこにいる職場なのかで、同じ比較がまるで違う意味になる。

65〜69歳の行だけ、大小が入れ替わる。370.8万円と272.1万円で、小さい事業所のほうが98.7万円高い。従事員5,000人以上の事業所では定年と再雇用の仕組みが整っているぶん、60歳や65歳で給与の水準がはっきり切り替わるのに対して、10人未満の事業所では区切りが緩く、同じ仕事を同じ条件で続けている人がそのまま集計に残る。

平均給与に入るもの、入らないもの

この調査でいう給与は、1年間の支給総額。給料・手当と賞与の合計で、給与所得控除を引く前の金額。通勤手当などの非課税分は入らない。

もうひとつ、集計対象は「1年を通じて勤務した給与所得者」に限られる。1月から12月まで引き続き勤務して、給与の支給を受けた月数が12か月の人。年の途中で入社した人、退職した人、産休や育休で支給月が欠けた人は、この集計から外れて別に数えられている。平均が上に出る理由のひとつ。

給与所得者の全体では、1年未満勤続者を含めて数えると母数が増える。年齢階層別の表で使ったのは、12か月ぶん受け取った人だけの数字。

この数字で言えないこと

年収の中央値は出ていない。この調査が公表しているのは平均と給与階級ごとの人数までで、階級の人数から真ん中の人の額を割り出す作業は集計の外にあり、そこを誰がどう推計したかによって出てくる額も変わる。

職種別の内訳も無い。業種は14分類まで割ってあるけれど、同じ業種の中でどの職種がどれだけ受け取っているかは分からない。

学歴の区分も持っていない。学歴で年収を比べたいなら、別の調査に当たることになる。

残業の有無も分からない。支給総額に残業代は含まれるので、同じ500万円でも、月20時間の残業で届いた人と定時で届いた人が同じ欄に入っている。働いた時間あたりで見たいときは、ITの残業時間、平均は15.8時間のように労働時間の統計と突き合わせる必要がある。

業種を絞った数字は、ITの平均年収659万円、半数は600万円以下で同じ調査の業種別の表を整理している。

出典

  1. 令和7年分 民間給与実態統計調査 第10表 事業所規模別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額(国税庁、2025年分)
  2. 令和7年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告(国税庁、2025年分)