製造業の平均年収573万円、賞与は112万円

製造業で1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は573.0万円。国税庁の民間給与実態統計調査、令和7年分(2025年分)の数字で、集計対象は925万6,197人。給与所得者全体の平均給与487万円を86万円ほど上回る。

その一方で、同じ表の給与階級別の人数を足していくと、500万円以下に49.5%が入る。平均は全体より86万円高く、それでいて半数近くが500万円以下という2つの事実が同じ表から出てくるので、どちらか片方だけを取り出せば、製造業の水準は高いとも低いとも書けてしまう。

573.0万円のうち111.9万円は賞与

区分 金額
平均給料・手当 461.1万円
平均賞与 111.9万円
平均給与 573.0万円

賞与が年収に占める割合は19.5%。給料・手当の461.1万円を12で割ると、月あたりは約38.4万円。年の総額のうち2か月ぶんを超える部分が賞与で動くので、月の支給額だけを見ていると年収の位置を読み違える。

男女で分けると、男は年収655.0万円のうち賞与が132.5万円(20.2%)、女は371.6万円のうち61.3万円(16.5%)。賞与の割合が大きいぶん、業績によって年収の振れ幅も大きくなる。賞与は法律で額の決め方が定まっていない部分で、支給の有無も就業規則や労使の取り決めに委ねられている(賞与とは、額が確定していない賃金)。

人数の山は400万円台

給与階級 人数 構成比 累積
100万円以下 253,037人 2.7% 2.7%
100万円超200万円以下 578,147人 6.2% 9.0%
200万円超300万円以下 1,023,051人 11.1% 20.0%
300万円超400万円以下 1,328,206人 14.3% 34.4%
400万円超500万円以下 1,403,505人 15.2% 49.5%
500万円超600万円以下 1,262,902人 13.6% 63.2%
600万円超700万円以下 936,152人 10.1% 73.3%
700万円超800万円以下 731,476人 7.9% 81.2%
800万円超900万円以下 509,924人 5.5% 86.7%
900万円超1,000万円以下 359,540人 3.9% 90.6%
1,000万円超1,500万円以下 677,516人 7.3% 97.9%
1,500万円超2,000万円以下 135,763人 1.5% 99.4%
2,000万円超2,500万円以下 26,251人 0.3% 99.7%
2,500万円超 30,727人 0.3% 100.0%

最も人数が多いのは400万円超500万円以下の140万3,505人で、次が300万円超400万円以下の132万8,206人。この2つの階級だけで29.5%。

累積が50%を超えるのは500万円超600万円以下の階級なので、真ん中の人はこの幅のどこかにいる。平均の573.0万円も同じ階級。1,000万円を超える人は87万257人で、全体の9.4%にとどまる。

全体より若く、勤続は3.4年長い

製造業の平均年齢は46.5歳、平均勤続年数は15.9年。給与所得者全体の47.3歳・12.5年と並べると、0.8歳若くて勤続は3.4年長い。

男女で分けると、男が46.5歳・17.0年、女が46.6歳・13.1年。年齢はほぼ同じで、勤続年数だけが3.9年ちがう。

勤続の長さは平均給与を押し上げる方向に働く。年齢が全体より若いのに平均給与が上に出ているのは、年齢の側からではなく、勤続年数の長さと業種そのものの賃金水準から来ている部分が大きいと読める。製造業の573.0万円には、同じ職場に長くいる人の割合の高さが織り込まれている。

男女差は283.4万円、女性は28.9%

区分 人数 平均給与 平均年齢 平均勤続年数
男 6,578,343人 655.0万円 46.5歳 17.0年
女 2,677,854人 371.6万円 46.6歳 13.1年

女性は267万7,854人で、製造業の給与所得者の28.9%。平均給与の差は283.4万円。

平均年齢は0.1歳しか違わないので、年齢構成では説明がつかない。この調査は職種や役職で分けた集計をしていないため、283.4万円のうちどれだけが職種や勤続年数の構成から来ているのかは、ここからは取り出せない。

この数字で言えないこと

中央値は出ていない。公表されているのは平均と給与階級ごとの人数までで、階級の中での分布は分からない。

製造業の中の区分も無い。食料品、自動車、電子部品などがすべて「製造業」の1行に入っているため、製造品目ごとの水準は分けられず、品目まで割った数字が必要なら産業中分類を持つ別の調査に当たることになる。

職種別の内訳も持っていない。設計、生産管理、現場の技能職、営業が同じ行に入っている。

企業規模別の内訳も、この業種別の表には無い。年齢で切った数字は年代別の平均年収、ピークは55〜59歳にある。

残業の有無も分からない。支給総額に残業代が含まれるため、同じ600万円でも、交替勤務の手当や残業代を積んで届いた人と、所定内の労働だけで届いた人が、この表では同じ階級に並ぶ。

集計対象は1年を通じて勤務した人に限られる。年の途中で入社した人、退職した人、産休や育休で支給月が欠けた人は、この集計から外れて別に数えられている。平均が上に出る理由のひとつ。

出典

  1. 令和7年分 民間給与実態統計調査 第9表 業種別の給与所得者数・給与額(国税庁、2025年分、製造業)
  2. 令和7年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告(国税庁、2025年分)