フレックスタイム制がある企業の割合は、情報通信業で29.7%、教育・学習支援業で1.1%。27倍の開きがある。厚生労働省の令和7(2025)年就労条件総合調査の数値で、常用労働者30人以上の民営企業6,448社に調査票を送り、3,820社から回答を得たもの(有効回答率59.2%)。調査産業計は8.3%で、これを上回る業種は16のうち8つ。
フレックスタイム制の業種別の差は27倍
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20%台が4業種、3%台以下が3業種
2025年1月1日現在で、フレックスタイム制がある企業の割合。左が企業の数で数えた割合、右がその制度の適用を受ける労働者の数で数えた割合。
| 業種 | 制度がある企業 | 適用を受ける労働者 |
|---|---|---|
| 情報通信業 | 29.7% | 28.8% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 28.8% | 46.9% |
| 複合サービス事業 | 25.2% | 2.8% |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 22.2% | 27.2% |
| 金融業、保険業 | 18.3% | 15.7% |
| 製造業 | 10.5% | 17.1% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 8.8% | 5.7% |
| 不動産業、物品賃貸業 | 8.5% | 14.3% |
| 卸売業、小売業 | 7.8% | 9.7% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 6.5% | 8.3% |
| 運輸業、郵便業 | 5.5% | 3.8% |
| 建設業 | 4.6% | 10.6% |
| 鉱業、採石業、砂利採取業 | 4.5% | 4.5% |
| 医療、福祉 | 3.8% | 1.1% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 3.0% | 4.4% |
| 教育、学習支援業 | 1.1% | 1.3% |
| 調査産業計 | 8.3% | 11.1% |
上の4業種が20%台で、そこから金融業、保険業の18.3%を挟んで、6番目の製造業は10.5%まで落ちる。下から数えると、教育・学習支援業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉が3%台以下。対面で人と向き合う時間が決まっている業種、つまり授業の開始時刻や店の営業時間や勤務の交代が先に決まっている業種が、そろって下のほうに並んでいる。
企業の数で数えるか、人の数で数えるかで順位が変わる
2つの列は、ときどき逆を向く。複合サービス事業は制度がある企業が25.2%で3番目に高いのに、適用を受ける労働者は2.8%しかいない。制度を持つ企業があっても、その中で対象になる人が限られているという読み方になる。
逆に動くのが電気・ガス・熱供給・水道業で、企業では28.8%、労働者では46.9%。18.1ポイント上がる。建設業も4.6%から10.6%へ、製造業も10.5%から17.1%へ、どちらも労働者で数えたほうが高い。規模の大きい企業に制度が寄っていると、人の数で数えた割合のほうが上がる。
医療・福祉は3.8%から1.1%へ下がる。ここは逆向き。
どちらの数え方も同じ調査の同じ年の値で、第16表と第17表に分かれている。全体の8.3%と11.1%の違いについてはフレックスタイム制の導入率は8.3%に書いた。
業種の内側でも分かれている
製造業の10.5%は、3つの区分に割って公表されている。消費関連が5.8%、素材関連が9.3%、機械関連が15.8%。同じ製造業でも3倍近い差。
卸売業、小売業の7.8%も内側で分かれる。卸売業が12.3%、小売業が4.0%。16業種の平均値より、この細かい区分のほうが自分の職場に近い。
企業規模による差は業種差より大きく、1,000人以上で34.5%、30〜99人で4.9%。詳しくはフレックスタイム制、企業規模別の差のほうにある。
「制度がある」が指している範囲
フレックスタイム制は、1日の始業と終業の時刻を働く人が決める制度で、清算期間と呼ばれる区切りのなかで総労働時間を満たす形をとる。出勤していることが決められた時間帯(コアタイム)を置くかどうかは、企業ごとの労使協定で決まる。清算期間の上限は、2019年4月から1か月から3か月に延びた。
調査が聞いているのは、この制度が企業にあるかどうか。コアタイムの長さ、対象になる部署の範囲、申請の手順は聞いていない。情報通信業の29.7%の内側に、全社員が使える企業と、一部の職種だけが使える企業が、同じ1社として入っている。
この表で言えないこと
変形労働時間制の種類は複数回答なので、1つの企業が1年単位の変形労働時間制とフレックスタイム制の両方を採用していれば、両方の列に数えられていて、種類ごとの割合を足すと変形労働時間制を採用している企業の割合を超える業種が出てくる。足し算では読めない表である。
標本調査である。3,820社の回答から全国を推計した値で、業種ごとの回答企業数は公表されていないため、小さい業種の1ポイント前後の上下を順位の差として読むことはできない。鉱業、採石業、砂利採取業のように企業数の少ない業種では、特にそうなる。ここは推定。
30人未満の企業は調査の対象に入っていない。業種によって小さい企業の比率は違うので、その影響もこの表には出てこない。
自分の業種の数値を、どう使うか
求人票で確認できるのは、制度の名前が書かれているかどうかまで。コアタイムの時間帯、清算期間の長さ、対象になる職種が書かれていれば、同じ業種の中でどのあたりかを読む材料になる。面接で聞けるのは、直近1か月に制度を使った人数と、始業時刻を変えるときの連絡の決まり。
いまの職場でも数えられる。始業時刻を自分の判断で30分ずらした日が、直近4週で何日あったか。遅れる連絡を何分前に入れる決まりか。中抜けが認められているか。制度の名前が付いていなくても、この3つは記録できる。
4週ぶん貯まると、業種の平均ではなく、自分の1か月として並べられる。





