人手不足の割合、正社員は49%

正社員等が不足していると答えた事業所は49%。厚生労働省の労働経済動向調査、令和8年(2026年)5月1日現在の数字で、有効回答は3,174事業所。パートタイム労働者については30%だった。

過剰と答えた事業所も出ている。正社員等で2%、パートタイムで3%。報道で見かける「+47ポイント」は、この49%から2%を引いた差であって、不足している事業所の割合そのものではない。

49%は、どう数えた割合か

調査日現在の労働者数について、事業所が「おおいに不足」「やや不足」「適当」「やや過剰」「おおいに過剰」から選ぶ。前の2つを合わせたものが「不足」で、調査産業計では49%。後ろの2つを合わせた「過剰」が2%。残りが適当と答えた事業所になる。

対象は、常用労働者を30人以上雇用している民営事業所。建設業から医療,福祉までの12産業に属する事業所のうち5,786事業所を調査の客体として選び、そこから3,174事業所の回答が返ってきたものを、産業ごとの復元倍率を使って集計している。有効回答率54.9%。調査の実施期間は令和8年4月1日から5月15日まで。

労働者過不足判断D.I.は、不足と答えた割合から過剰と答えた割合を引いた値。調査産業計で+47ポイント。1つの数字で方向は見えるが、49%と2%という内訳は消える。

業種で27ポイントの差

令和8年5月調査の、不足と答えた事業所の割合。

産業 正社員等 パートタイム
調査産業計 49% 30%
建設業 60% 7%
製造業 47% 16%
情報通信業 55% 10%
運輸業,郵便業 56% 36%
卸売業,小売業 34% 38%
金融業,保険業 33% 11%
不動産業,物品賃貸業 38% 28%
学術研究,専門・技術サービス業 56% 12%
宿泊業,飲食サービス業 40% 47%
生活関連サービス業,娯楽業 39% 42%
医療,福祉 60% 35%
サービス業(他に分類されないもの) 50% 44%

正社員等で最も高いのは建設業と医療,福祉の60%、最も低いのは金融業,保険業の33%。開きは27ポイント。50%以上の産業が6つある一方で、30%台にとどまる産業も4つあり、調査産業計の49%はその両側のあいだに落ちている。

正社員とパートで山がずれる

建設業は正社員等が60%なのにパートタイムは7%。53ポイントの差。同じ産業の中で、足りないと答えられている雇用形態が片側に寄っている。

逆の形も出る。卸売業,小売業は正社員等34%に対してパートタイム38%、宿泊業,飲食サービス業は40%に対して47%、生活関連サービス業,娯楽業は39%に対して42%。この3つでは、パートタイムのほうが不足と答えた事業所が多い。

職場で人が足りないと言われているとき、それが正社員の枠の話なのかパートタイムの枠の話なのかを分けて聞いておくと、欠員がどちらの形で埋まる見込みなのかまで一緒に見えてくる。聞く先は採用の担当。

直近3期は52、52、49

正社員等の不足は、令和7年11月調査で52%、令和8年2月調査で52%、令和8年5月調査で49%。3ポイント下がった。

パートタイムは30%、31%、30%でほぼ動いていない。

半年ぶんの変化なので、ここから先の方向までは読めない。D.I.の推移で見ると、正社員等は令和7年11月の+49ポイントから+47ポイントへ、パートタイムは+28ポイントから+27ポイントへ。

この数字で言えないこと

30人未満の事業所は、最初から調査の対象に入っていない。小さい事業所の状況はこの49%に反映されていない。

回答しているのは事業所であって、そこで働く人ではない。人手が足りないと事業所が答えたことと、そこにいる一人ひとりの担当業務が増えていることは同じではないので、自分の側の負荷は業務の記録から別に確かめることになる。

復元倍率を使った推計値なので、回答した事業所を単純に数えた割合とも違う。産業内のばらつきも出ない。建設業の60%は、建設業の事業所のうち60%が不足と答えたという意味で、その60%がどれだけ深く不足しているかは分からない。

地区別の過不足状況は、令和7年5月調査をもって集計が終了した。都道府県や地方ごとの数字は、この調査からもう出てこない。

職場の側の条件を別の角度から見るなら、定着率、業種別で17.1ポイント差と業種別の残業時間、最長20.6時間に、それぞれ別の調査の数値をまとめてある。

出典

  1. 労働経済動向調査(令和8年5月)の概況(厚生労働省、2026年5月1日現在、有効回答3,174事業所)
  2. 労働経済動向調査(令和8年5月)の概況 統計表一覧(厚生労働省)