正社員等の労働者過不足判断D.I.は、2026年5月1日現在で+47ポイント。厚生労働省の労働経済動向調査で、2008年2月調査から2026年5月調査までの74期を並べると、この値が0を下回ったのは2009年の4期だけだった。最大は2024年2月調査の+51ポイント。いまの+47は、その4ポイント下にいる。
人手不足の推移、過剰超過は2009年だけ
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+47は、どう数えた数字か
事業所が調査日現在の労働者数について「おおいに不足」「やや不足」「適当」「やや過剰」「おおいに過剰」から1つを選ぶ。前の2つを合わせた割合から、後ろの2つを合わせた割合を引いた差が労働者過不足判断D.I.。単位はポイントで、%ではない。
2026年5月調査だと、正社員等で不足と答えた事業所が49%、過剰が2%。差が+47ポイントになる。内訳のほうは人手不足の割合、正社員は49%にまとめた。
対象は常用労働者を30人以上雇用している民営事業所で、建設業から医療,福祉までの12産業。2026年5月調査の有効回答は3,174事業所、有効回答率54.9%。集計には産業ごとの復元倍率がかかっているので、返ってきた回答をそのまま数え上げた割合とは値が違ってくる。調査は四半期ごと、2月・5月・8月・11月の各1日現在の状況を聞く。
毎年2月調査で並べた19年
同じ月の調査だけを取り出すと、季節の動きが混ざらない。2月調査の値。
| 調査年 | 正社員等 | パートタイム |
|---|---|---|
| 2008年 | +27 | +22 |
| 2009年 | −11 | −1 |
| 2010年 | −5 | +2 |
| 2011年 | +6 | +9 |
| 2012年 | +13 | +17 |
| 2013年 | +12 | +16 |
| 2014年 | +22 | +25 |
| 2015年 | +31 | +29 |
| 2016年 | +34 | +31 |
| 2017年 | +38 | +32 |
| 2018年 | +44 | +32 |
| 2019年 | +45 | +31 |
| 2020年 | +38 | +27 |
| 2021年 | +27 | +19 |
| 2022年 | +39 | +26 |
| 2023年 | +46 | +31 |
| 2024年 | +51 | +32 |
| 2025年 | +48 | +30 |
| 2026年 | +49 | +28 |
直近の5月調査は正社員等+47、パートタイム+27。2月調査だけでたどると、正社員等は2010年の−5から2019年の+45まで10年かけて50ポイント上がり、そのあと2021年に+27まで落ちてから、わずか3年で系列の最大にあたる+51へ戻っている。
過剰超過に転じたのは2009年の4期だけ
正社員等がマイナスになったのは、2009年2月の−11、5月の−15、8月の−14、11月の−8。この4期しかない。系列の最小値は2009年5月調査の−15ポイントで、最大の+51との開きは66ポイント。
パートタイムはさらに短く、マイナスが出たのは2009年2月と8月の2期、どちらも−1にとどまった。同じ時期に、正社員等の側が15ポイント下まで振れている。
0に戻るまでの時間。正社員等は2010年8月調査でちょうど0、2011年2月調査で+6となって、不足超過の側に戻るまで2年弱かかった。
2020年は3か月で14ポイント下がった
2020年2月調査の+38から、5月調査は+24。3か月で14ポイントの下落。底は8月調査の+21で、11月調査には+25へ戻っている。
パートタイムの動きはもう少し急で、2月の+27から5月に+16、8月に+14まで下がった。13ポイント。募集や更新の判断が短い間隔で回るぶん、パートタイムの比率が高い産業のほうに先に出たと読める。
2020年2月の水準に戻るのは2022年2月調査の+39で、2年後。2009年のときと違い、この局面では0を下回らなかった。下がった幅と、戻るまでにかかった時間は、局面ごとに別に見る必要がある。
正社員とパートの差は5から20ポイントへ
2008年2月調査の差は5ポイント(+27と+22)。2013年から2014年にかけては、パートタイムのほうが高い期もあった。2014年2月調査は正社員等+22、パートタイム+25。
いまは逆に開いている。2026年5月調査で正社員等+47、パートタイム+27。差は20ポイント。2025年11月調査と2026年2月調査ではどちらも21ポイントで、ここ数年で最も開いた水準にある。
「人手不足」の一語が、雇用形態のどちら側の話をしているのかで、指す数字が20ポイント違う。職場で欠員の話が出たときに、それが正社員の枠を埋める話なのかパートタイムの枠を埋める話なのかを分けて聞いておくと、自分の担当が今後どちらの形で薄まるのかまで一緒に見えてくる。
この推移で言えないこと
2007年11月調査以前は、正社員等ではなく「常用」として調査していた。厳密には接続しないので、比較の起点は2008年2月調査に置いた。それより前の数値と並べても、同じものを追ったことにならない。
常用労働者が30人未満の事業所は、最初から調査の対象に入っていない。小さい事業所を含めた水準は、この系列から出せない。
答えているのは事業所で、そこで働く人ではない。事業所が調査票の上で不足と判断したことと、そこにいる一人ひとりの担当業務が実際に増えていることはつながっていないので、手元の負荷のほうは自分の業務の記録から別に確かめることになる。D.I.は差なので、不足49%・過剰2%という内訳も1つの数字に畳まれて消える。
地区別の過不足状況の試算は2025年5月調査で集計を終了した。都道府県や地方ごとの推移は、この調査からもう追えない。
産業別の水準を知りたいときは人手不足の割合、正社員は49%、人の出入りの側から見るなら離職率の推移、10年の幅は1.9ポイントに別の調査の数値を置いてある。
自分の職場で数えるのは3つ
19年の推移を見ても、自分の職場の欠員が何人なのかは出てこない。手元で数えられるのはこの3つ。
- いま埋まっていない席の数と、そこに前にいた人が抜けた月
- 募集が出てから人が入るまでの週数(直近に埋まった1件でよい)
- この半年に自分が引き受けた、他の人の担当だった業務の数
3が増えているなら、不足は採用の話として処理される前に、いる人の担当範囲の側で吸収されている。増えた業務の数と、それぞれに使っている週あたりの時間を4週ぶん書き留めておけば、次の面談で「忙しい」と言わずに、何が何時間ぶん増えたのかを数字で出せる。残業時間の側から見たいときは残業時間の推移、山は2022年に同じ期間の別の統計がある。





