OJTの期間を一律に定めた法律はない。数字が決まっているのは、国の認定や助成の対象になる訓練の枠だけで、厚生労働省の人材開発支援助成金の支給要領を見ると、訓練実施期間の下限は2か月、長いほうの枠は2年である。どちらもOJT単体ではなく、座学と組み合わせた訓練としての期間。自分が「OJT中」と言われている期間がこの枠に入るとは限らないが、国が訓練として数える長さの目安にはなる。
OJTという言葉が広い意味と狭い意味の2段で使われていることはOJTとはに書いた。ここでは長さの話をする。
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OJTの期間を一律に定めた法律はない。数字が決まっているのは、国の認定や助成の対象になる訓練の枠だけで、厚生労働省の人材開発支援助成金の支給要領を見ると、訓練実施期間の下限は2か月、長いほうの枠は2年である。どちらもOJT単体ではなく、座学と組み合わせた訓練としての期間。自分が「OJT中」と言われている期間がこの枠に入るとは限らないが、国が訓練として数える長さの目安にはなる。
OJTという言葉が広い意味と狭い意味の2段で使われていることはOJTとはに書いた。ここでは長さの話をする。
支給要領が訓練実施期間を定めているのは、次の2つ。
| 訓練 | 訓練実施期間 |
|---|---|
| 認定実習併用職業訓練(職業能力開発促進法26条の3第3項に基づく大臣認定を受けたもの) | 6か月以上2年以下 |
| 有期実習型訓練 | 2か月以上 |
どちらも、訓練実施日の変更などで1か月以上連続して訓練をしない期間ができた場合、その期間は訓練実施期間に数えない。間が空けば、その分だけ終わりが後ろにずれるという作りだ。
新卒の配属後に「3か月はOJT」と言われることが多いのは、法令の定めによるものではない。国の制度の側から言えるのは、2か月に満たない長さだと訓練として扱われない、ということまでである。
期間の下限と並んで置かれているのが、総訓練時間数の基準。6か月当たりの時間数に換算して425時間以上、というのが要件である。1年に直せば850時間に当たる。1日8時間で年240日働くとすると年間1,920時間なので、850時間はその4割強。訓練としてはかなり厚い。
OJTの割合にも幅がある。総訓練時間数に占める実習(OJT)の時間数は、1割以上9割以下。残りは座学で、しかもOJTと座学が互いに密接な関連を持つことが条件になっている。現場で教わるだけの形は、この基準では訓練として完結しない。
受ける側にも数字がある。訓練等の受講時間数が実訓練時間数の8割以上であること。休んだ分が2割を超えると、その人は支給の対象から外れる。
能力開発基本調査が「計画的なOJT」として数えているのは、計画書を作成するなどして教育担当者、対象者、期間、内容を具体的に定め、段階的・継続的に実施する教育訓練である。期間は定義の中に入っている。
つまり、いつまでかが決まっていない指導は、言葉としてはOJTでも、調査のうえでは計画的なOJTに含まれない。職層ごとに誰が計画的なOJTを受けているかの割合はOJTとはに数字を載せた。なお同じ調査は、新入社員を「入社後3年程度までの者」と区切っている。2年目も3年目も新入社員。
有期実習型訓練の要件を読むと、期間の終わりが何のためにあるかが分かる。訓練結果を反映した能力評価をジョブ・カードの様式3-3-1-1(企業実習・OJT用)で実施すること、そしてジョブ・カードの評価結果を活用した正規雇用労働者等への転換等の時期を、訓練修了後2か月以内に定めておくこと。指導と能力評価の担当者と責任者も、あらかじめ選任しておく必要がある。
終了日、評価の方法、評価する人、評価のあとに何が変わるか。この4点が同時に決まっていて初めて、期間に区切りとしての意味が出る。自分のOJTに終了予定があるなら、その日のあとに何の判断が入るのかまで聞いておくと、残りの時間の使い方が変わる。
教えた仕事が一定の水準に達したあと、実際の仕事に任せて習熟度を上げていく段階を、厚生労働省の雇用型訓練指導者用マニュアルは「適用」と呼んでいる。この段階では指導者が常に観察しているとは限らない、とはっきり書かれている。
見分ける手がかりは、定期的なフォローアップがあるかどうか。マニュアルは、適用の段階でも習熟状況を定期的に確認して本人に説明すること、行き詰まっていれば補足的な課題を与えること、ミスは速やかに報告させて原因を一緒に考えることを求めている。確認の予定が入っていないまま日数だけが過ぎているなら、それは設計された「適用」とは別のもの。
期間そのものより、期間の端がどう決まっているかのほうが効く。聞けるのは次の3つくらいだ。
どれくらいの長さが自分に合うかは、人によって違う。手順を一通り通してから任されたい人には短い期間が負担になるし、やりながら覚えるほうが早い人には長い期間が足かせになる。合う長さを言葉にしておくと、次の配属や異動のときに条件として出せる。
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