OJT は On the Job Training の略で、日常の業務に就きながら行われる教育訓練を指す。厚生労働省の能力開発基本調査がこの言葉で数えているのは、そのうち計画書を作成するなどして教育担当者・対象者・期間・内容を具体的に定め、段階的・継続的に実施するもの、つまり「計画的なOJT」である。先輩の手が空いたときだけ教わっている状態は、言葉としては OJT に含まれても、統計には乗らない。
OJTとは、計画があるかで分かれる
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定義が2段になっている
厚生労働省の用語の説明は、計画的なOJTを次のように定める。日常の業務に就きながら行われる教育訓練(OJT)のうち、教育訓練に関する計画書を作成するなどして教育担当者、対象者、期間、内容などを具体的に定めて、段階的・継続的に実施する教育訓練。例として挙げられているのは、教育訓練計画に基づいてライン長などが教育訓練担当者として作業方法を部下に指導すること。
ここから、OJT という言葉が2段で使われていることが分かる。広い意味では、業務のなかで教わること全体。狭い意味では、計画が文書になっていて担当者が決まっているもの。配属時に「OJTで覚えてもらう」と言われたとき、どちらを指しているのかは、計画書の有無で切り分けられる。
OFF-JT との違いは、仕事を離れるかどうか
OFF-JT の定義は、業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練。社内で労働者を1か所に集めて実施する集合訓練も、社外の業界団体や教育訓練機関に派遣して受けさせる訓練も、ここに入る。
| OJT(計画的なOJT) | OFF-JT | |
|---|---|---|
| 場所と時間 | 日常の業務に就きながら | 通常の仕事を一時的に離れて |
| 教える人 | 職場の教育訓練担当者(ライン長など) | 社内の講師または社外の教育訓練機関 |
| 内容の決まり方 | 計画書で担当者・対象者・期間・内容を定める | 業務命令で受講を指示する |
どちらかを選ぶ関係にはない。令和7年度の調査では、OFF-JT を実施していない事業所が27.4%、計画的なOJTを実施していない事業所が35.8%。実施している事業所は両方を併せて使っている。
新入社員は「入社後3年程度まで」
職層の区分も調査が定義している。新入社員は入社後3年程度までの者。中堅社員は管理職層と新入社員に該当しない者、管理職層は管理または監督の任にある者。2年目でも3年目でも、この区分では新入社員に入る。
計画的なOJTを実施した対象を職層別に見ると、正社員では新入社員が52.3%、中堅社員が38.7%、管理職層が24.9%。正社員以外は25.1%(事業所規模5人以上、令和7年度、2026年7月31日公表)。OFF-JT のほうは新入社員58.7%、中堅社員57.4%、管理職層49.0%、正社員以外30.7%。
入社後の3年で計画的なOJTに当たる割合がもっとも高く、そこから先は下がっていく。中堅社員になってからの教育訓練は、事業所の4割弱にしかない。
実施率は6割で、前年から下がった
正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は60.6%で、前回調査より0.5ポイント低下した。正社員以外に対しては25.1%で、2.0ポイントの低下。正社員以外の割合は、長期的に正社員の半分に満たない水準で動いている。
6割という数字は事業所の割合であって、労働者のうち何割が受けたかではない。自分が受けていなくても、職場としては「実施した」に数えられている場合がある。新入社員1人に計画書を作って指導した事業所も、配属された10人のうち1人にだけ計画を作った事業所も、この集計では同じ「実施した」の側に立つので、割合の高さをそのまま自分に当てはめることはできない。
自分が受けているものを、4項目で確かめる
計画的なOJTの定義は、そのまま点検の項目として使える。
- 計画書がある。口頭の説明で終わっていない
- 教育担当者が決まっている。誰に聞けばいいかが指名されているか
- 期間の区切りが示されている。いつまでの話なのか
- 内容が具体的で、段階が順に組まれているか
4つのうち1つも埋まらないなら、受けているのは広い意味の OJT のほうである。どちらが自分に合うかは別の問題で、手順が決まっているほうが動きやすい人と、任されてから覚えるほうが早い人がいる。手順の明確さをどう測るかは役割が曖昧とは、教わる頻度の側はフィードバックの頻度とはに書いた。部署を移りながら覚える形との違いはジョブローテーションとはのほう。
職場を選ぶ段で見るなら、研修制度の有無より、この4項目が文書になっているかを聞くほうが答えが揃う。





