テレワークをしたことがある人の割合は、業種でおよそ12倍ひらく。いちばん高い情報通信業が74.1%、いちばん低い宿泊業・飲食業が6.0%(国土交通省「テレワーク人口実態調査」令和7年度、2025年10月24日〜11月4日のWEB調査、雇用型就業者n=36,391)。雇用型就業者の全体では25.2%なので、情報通信業はその約3倍にあたる。
テレワーク業種別、最高と最低で12倍
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上は74.1%、下は6.0%
令和7年度に公表された業種別の数値は4つ。
| 業種 | 雇用型テレワーカーの割合 |
|---|---|
| 情報通信業 | 74.1% |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 54.0% |
| 医療、福祉 | 6.4% |
| 宿泊業・飲食業 | 6.0% |
| (参考)雇用型就業者の全体 | 25.2% |
ここでいう雇用型テレワーカーとは、現在の主な仕事でこれまでにテレワークをしたことがあると答えた人を指す。直近1年に実施したかどうかではない。経験の有無で聞いているぶん、実際に今テレワークをしている人の割合よりは高く出る。
上位2業種に共通するのは、仕事の成果物が文書やコードやデータであること。下位2業種では、人や設備のある場所に自分の身体が行かないと仕事がそもそも始まらず、通信環境をどれだけ整えても、配膳も点滴も回線の向こう側には届かない。74.1%と6.0%の差は、働く人の希望より先に、仕事の物理的な置き場所で決まっている。
中間の業種の値は、公表されていない
調査の図には、上の4業種のほかにも区分が並ぶ。農林水産・鉱業、建設業、製造業、電気・ガス業、運輸業、卸・小売業、金融・保険業、不動産業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、複合サービス事業ほか、公務。
ところが数値が文章で示されているのは、上位2業種と下位2業種だけ。残りは棒グラフに描かれているものの、目盛りから目分量で読み取った値をこの記事に書くことはしない。グラフの高さから読み取るときの誤差は数ポイントに達することがあり、それは業種と業種のあいだの差そのものと同じくらいの幅になってしまう。
製造業や金融・保険業の正確な値は、この報告書からは出てこない。
自営型でも、順位はほとんど変わらない
同じ調査は自営型就業者(n=3,609)も集計している。こちらで最も高いのも情報通信業で73.5%、次が学術研究、専門・技術サービス業の56.3%。最も低いのが農林水産・鉱業の6.6%、次いで宿泊業・飲食業の9.3%だった。
雇用型と自営型で、上位2業種は同じ顔ぶれ。雇用の形が変わっても順位が動かないという事実は、テレワークの可否が会社の制度より仕事の中身に強く縛られていることを示している。ただし自営型は雇用型より母数が小さく、業種ごとに割るとさらに小さくなるので、1ポイント程度の差は読まないほうがいい。
2年前と比べて動いたのは、電気・ガス業
報告書は令和5年度と令和7年度を並べている。一昨年度との比較で上昇が目立った業種として挙げられているのが、雇用型では電気・ガス業(約4ポイント上昇)、自営型では建設業。
上位も下位も動いていない。2年で入れ替わるような並びではなく、業種ごとの水準はほぼ固定されている。電気・ガス業の4ポイントは、その固まった並びのなかで例外的に動いた幅だが、それでも業種の順位を大きく塗り替えるほどの大きさではなかった。
業種は勤務先の業種であって、職種ではない
この集計の単位は、回答者が勤めている会社の業種。同じ会社の中でも、経理と店舗運営ではテレワークの可否が割れる。
医療、福祉が6.4%と低いのは、この業種で働く人の多くが患者や利用者と同じ場所にいる必要があるから。事務や情報システムの担当者まで6.4%に含めて平均されているので、職種で切れば分布はもっと広がるはず。ただしこの調査に職種別の集計は無いので、確かめられない。
自分の勤務先の業種の値が低かったとしても、それは自分の職種の値ではない。分けて読む。
この数字から言えないこと
まず、頻度が入っていない。経験の有無で聞いているため、月に1回の人も週4回の人も同じ1人として数えられ、業種間にひらいた差が、そもそも実施したことがあるかどうかの差なのか、実施している人たちの回数の差なのかは、この表からは分けられない。
業種ごとのサンプル数も公表されていない。雇用型就業者全体の36,391人を16区分に割った内訳が無いので、区分によっては数百人規模の可能性がある。数ポイントの差を業種間で比べる材料としては弱い。
企業がテレワーク制度を入れているかどうかは、働く人に聞いたこの調査とは別の枠組み。企業側の導入率はテレワーク導入率、企業規模で2倍差に、年ごとの実施率の動きはテレワーク実施率の推移、4年ぶり増に分けて書いた。
業種の平均より、自分の4週間
74.1%も6.0%も、自分の勤務条件を説明する数字ではない。手元で使える形は1つ。直近4週間のうち、勤務先以外の場所で働いた日数を数える。20営業日ぶんの比率にすれば、業種の平均と並べて話せる。
差があったとき、それが業種の相場から来ているのか、自分の職場の決め方から来ているのかは、数えたあとで分かれる。





