雇用されて働く人のテレワーク実施率は、令和7年度に16.8%だった。前年度の15.6%から1.2ポイント上がり、令和3年度をピークに3年続いた減少が止まっている(国土交通省「テレワーク人口実態調査」令和7年度、2025年10月24日〜11月4日のWEB調査、雇用型就業者n=36,391)。
この調査は「直近1年間に実施したか」と「これまでに実施したことがあるか」を別々に集計していて、後者は25.2%。倍近く違う2つの数字が同じ調査の中にあるので、まず定義から確認する。
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雇用されて働く人のテレワーク実施率は、令和7年度に16.8%だった。前年度の15.6%から1.2ポイント上がり、令和3年度をピークに3年続いた減少が止まっている(国土交通省「テレワーク人口実態調査」令和7年度、2025年10月24日〜11月4日のWEB調査、雇用型就業者n=36,391)。
この調査は「直近1年間に実施したか」と「これまでに実施したことがあるか」を別々に集計していて、後者は25.2%。倍近く違う2つの数字が同じ調査の中にあるので、まず定義から確認する。
直近1年間のテレワーク実施率とは、雇用型就業者のうち、その調査年度の直近1年間にテレワークを実施した人の割合を指す。令和7年度は16.8%。雇用型就業者のおよそ6人に1人という水準。
ここでいうテレワークは、ICTを使って普段出勤する勤務先とは違う場所で働くこと、または勤務先に出勤せず自宅などで働くことを指す。回数の下限は設けられていない。1年に1回だけ在宅で働いた人も、週3回の人と同じく実施者に数えられる。
全国の実施率を年度順に並べると、次のようになる。
| 年度 | 直近1年間のテレワーク実施率 |
|---|---|
| 令和元年度(推測値) | 14.8% |
| 令和3年度 | 21.4% |
| 令和4年度 | 18.8% |
| 令和5年度 | 16.1% |
| 令和6年度 | 15.6% |
| 令和7年度 | 16.8% |
令和3年度の21.4%が山で、そこから3年続けて下がった。下げ幅は令和3→4年度が2.6ポイント、4→5年度が2.7ポイント、5→6年度が0.5ポイント。最後の1年で鈍っていたところに、令和7年度の1.2ポイント増が入った。
令和元年度の14.8%は実測値ではなく、令和元年度調査の時点で直近1年間の実施率を推測した参考値として同じ図に置かれている。それでも、令和7年度の16.8%がコロナ禍前の水準を2ポイント上回っていることは読み取れる。
同じ調査には、雇用型テレワーカーの割合という別の数字がある。これは現在の主な仕事でこれまでにテレワークをしたことがあると答えた人の割合で、令和7年度は25.2%。
この系列は平成28年度の13.3%から始まり、令和元年度14.8%、令和2年度23.0%、令和3年度27.0%と上がって、令和4年度26.1%、令和5年度24.8%、令和6年度24.6%、令和7年度25.2%。過去の経験を含むので減りにくく、下がり方も実施率より緩い。
テレワークの実施率として引用される数字が調査ごとにばらつくのは、この定義の違いが大きい。経験の有無で聞けば25.2%、直近1年の実施で聞けば16.8%。同じ年の同じ調査でも、8.4ポイント離れる。
直近1年間の実施率の図は、令和3年度から令和7年度までの5点と、令和元年度の推測値1点で描かれている。令和2年度の値は入っていない。
緊急事態宣言が出た年の数字が抜けているので、「コロナ禍のピークからどれだけ落ちたか」を実施率の系列だけで語ることはできない。ピークを含む線を見たいなら、経験の有無で聞いた25.2%の系列のほうを使うことになる。
令和7年度の実施率を居住地域別に見ると、差は3倍近い。
| 地域 | 令和7年度の実施率 |
|---|---|
| 首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川) | 28.1% |
| 近畿圏(京都・大阪・兵庫・奈良) | 15.6% |
| 中京圏(愛知・岐阜・三重) | 14.3% |
| 地方都市圏(上記以外) | 9.8% |
前年度と比べると、首都圏は26.5%から28.1%、近畿圏は14.6%から15.6%、中京圏は12.0%から14.3%、地方都市圏は9.4%から9.8%。4つとも上がっている。上げ幅がいちばん大きいのは中京圏の2.3ポイント。
勤務先にテレワーク制度等が導入されていると答えた雇用型就業者は34.1%で、前年度から約1ポイント上がった。制度等には、規程は無いが会社や上司が認めている場合も含まれる。
制度等がある人のうち、テレワークをしたことがある人は64.8%。前年度から約1.7ポイント増えた。裏を返せば、制度がある職場でも3人に1人は一度も使っていない。企業側から見た導入率は別の調査になるので、テレワーク導入率、企業規模で2倍差に分けてある。
3つある。
ひとつ、頻度が分からない。実施率は年に1回でも週5回でも同じ1人として数えるため、16.8%という数字から出社日数を読むことはできない。
ふたつ、WEB調査の登録者から4万人を抽出した設計なので、インターネット調査に答える層に寄る可能性がある。性年齢別と三大都市圏かどうかの構成比は就業構造基本調査に合わせてあるが、都道府県ごとの構成比までは調整していないと調査自身が書いている。
みっつ、職種の内訳がこの切り口には含まれない。地域差の3倍という開きに、職種の分布がどれだけ効いているかは、この表からは分けられない。
16.8%は全国の平均で、自分の職場の値ではない。手元で使える形にするなら、4週間のうち在宅で働いた日数を数えて、20営業日ぶんの比率にする。週1日なら20%、週2日なら40%。実施率とは別の指標になるが、面談で話すときはこちらのほうが通じる。
出社日数が誰の判断で決まるのかは、出社は週何回か、働く場所は誰が決めるかに書いた。
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