テレワーク職種別、62.2%から0%まで

テレワークの実施率は、職種でおよそ30倍ひらきます。上位のコンサルタントが62.2%、下位の販売職が2.3%、軽作業は0.0%(パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」2025年7月11〜15日実施、正社員ベース)。正社員全体では22.5%なので、この値を上回るのは35区分のうち14区分でした。勤務先の運用を疑う前に、自分の職種がどちら側にあるかを見たほうが早い。

35区分を実施率の順に並べる

職種 実施率 サンプル数
コンサルタント 62.2% 86
IT系技術職 58.3% 1,810
企画・マーケティング 49.6% 441
経営企画 48.7% 569
Webクリエイティブ職 47.8% 71
商品開発・研究 41.3% 997
広報・宣伝・編集 37.9% 121
クリエイティブ職(デザイン・ディレクターなど) 30.3% 150
総務・人事 30.0% 2,046
営業推進・営業企画 28.1% 634
営業職(法人向け営業) 27.7% 1,958
財務・会計・経理・法務 27.4% 1,501
資材・購買 23.8% 367
営業事務・営業アシスタント 22.8% 850
その他専門職 21.8% 287
建築・土木系技術職(施工管理・設計系) 21.7% 480
教育関連 20.9% 148
事務・アシスタント 20.2% 2,649
顧客サービス・サポート 19.5% 614
その他 18.5% 1,268
営業職(個人向け営業) 14.9% 759
受付・秘書 14.7% 123
生産技術・生産管理・品質管理 14.0% 1,747
警備・清掃・ビル管理 9.5% 369
接客・サービス系職種(飲食) 8.0% 282
医療系専門職 7.9% 380
建築・土木系技術職(職人・現場作業員) 6.4% 212
製造(組立・加工) 4.3% 2,100
福祉系専門職(介護士・ヘルパーなど) 3.7% 784
配送・倉庫管理・物流 3.6% 497
接客・サービス系職種(飲食以外) 2.9% 423
販売職(販売店員、レジなど) 2.3% 706
ドライバー 2.1% 668
幼稚園教諭・保育士 2.1% 157
軽作業(梱包・検品・仕分/搬出・搬入など) 0.0% 80

サンプル数は、性別・年代と職種の構成を国勢調査などに合わせて補正したあとの数で、四捨五入の関係で合計が合わないことがあります。

境目は40%と20%の2か所にある

並びを上から見ると、47.8%のWebクリエイティブ職と41.3%の商品開発・研究の下で、いったん段差がある。その次の段差が、20.2%の事務・アシスタントと14.9%の個人向け営業のあいだ。

上の段に入っているのは、成果物がファイルで出る職種です。設計図、原稿、コード、資料。中の段は、書類と人のやりとりが半々の職種が占めています。下の段は、物か人がその場にある必要のある仕事。製造4.3%、配送3.6%、ドライバー2.1%。

職種の名前ではなく、仕事の出口がどこにあるかで分かれている、と読むほうが当てはまりがよさそうです。ただし、これは並びを見た解釈で、調査が検証した因果ではありません。

実施率と頻度では、順位が入れ替わる

同じ調査の週あたりテレワーク頻度を見ると、上位2職種だけが週1.8回を超えていました。

職種 週の平均テレワーク頻度
IT系技術職 1.86回
コンサルタント 1.81回
Webクリエイティブ職 1.66回
企画・マーケティング 1.24回
経営企画 1.07回
クリエイティブ職 0.99回
商品開発・研究 0.83回
総務・人事 0.70回
財務・会計・経理・法務 0.67回
営業職(法人向け営業) 0.59回

実施率ではコンサルタントが1位でしたが、頻度ではIT系技術職が上に来ます。実施率が30.0%の総務・人事は、頻度にすると週0.70回。月に3回ほど。

実施率の数字は「直近でテレワークをしたことがあるか」に答えた割合なので、週4日在宅の人と月1回の人が同じ1人として数えられている。職種の相場を自分の働き方と比べるなら、頻度のほうが近い。

この2年で下がった職種と、上がった職種

2年前からの変化量で見ると、減り方が大きいのは次の4つでした。

職種 2年前からの変化
Webクリエイティブ職 -16.7ポイント
営業推進・営業企画 -8.0ポイント
資材・購買 -7.5ポイント
広報・宣伝・編集 -6.2ポイント

反対に増えたのは、建築・土木系技術職(施工管理・設計系)のプラス8.0ポイント、警備・清掃・ビル管理のプラス6.6ポイント、教育関連のプラス5.7ポイント、個人向け営業のプラス4.8ポイントで、いずれももともと実施率が20%前後だった層です。40%台だった層は下がっています。

上位と下位の差が縮む向きの動き。ただしWebクリエイティブ職のサンプル数は71人で、16.7ポイントの変化には振れ幅の大きさも含まれます。

サンプル数が小さい区分の順位は、そのまま読めない

35区分のうち、サンプル数が200人に満たないのは8区分あります。最上位のコンサルタントは86人、Webクリエイティブ職は71人、軽作業は80人。

86人のうち何人がテレワークをしたかで62.2%が決まっているので、数人の違いで順位は動きます。「1位はコンサルタント」より「企画系のホワイトカラー職が上位を占める」のほうが、この調査から言える形に近い。

いっぽうサンプル数が1,000を超える区分(IT系技術職1,810、事務・アシスタント2,649、製造2,100、総務・人事2,046)は、値が安定しています。自分の職種がこちらに入っているなら、順位も水準もそのまま目安に使えます。

職種と業種は別の切り口

この表は職種、つまり本人が何をしているかで分けたものです。勤務先が何の業界かで分けた数値は別にあり、テレワークの実施率は業種でどれだけ違うかに書きました。情報通信業の事務職と、製造業の事務職では、同じ職種でも運用が変わります。

会社の規模による違いはテレワーク実施率と企業規模の関係のほうに。

この数字から言えないこと

インターネットのモニター調査で、勤務先の従業員10人以上・20〜59歳の就業者が対象です。合計n=30,731のうち正規雇用が26,352人。10人未満の職場で働く人は入っていません。

制度があるかどうかも、この数字からは分かりません。実施率は実際にやったかどうかの割合なので、制度はあるが使っていない人は、やっていない側に数えられます。

職種の区分は調査側の分け方です。自分の仕事が複数の区分にまたがることは珍しくなく、その場合どちらの数値と比べるかで見え方が変わる。

職種の平均より、自分の4週間

自分の職種の数値が分かっても、勤務先の運用が決まるわけではありません。使い道は、勤務先の扱いが職種の相場からどれだけ離れているかを測ることです。

離れているなら、次に見るのは理由の置き場所。職種としてできない仕事なのか、部署の決まりなのか、上司の判断なのか。直近4週間で職場の外で働いた日数と、その日数が誰の判断で決まったかを並べて記録すると、話をする相手が決まります。

出典

  1. 第十回・テレワークに関する調査(パーソル総合研究所、2025年7月11〜15日実施、就業者 n=30,731/うち正規雇用 n=26,352)
  2. 同調査 調査報告書PDF(パーソル総合研究所、職種別テレワーク実施率・頻度)