1on1をやめてほしいと思ったとき、上司との間で動かせる条件は4つある。頻度、1回の長さ、議題を誰が決めるか、話した内容がどこまで伝わるか。どれも変えられるうえ、負担の出どころによって手を付ける場所が違うので、全部をまとめて「やめたい」と持ちかけると、上司には制度そのものの否定として届いて、たいてい「もう少し続けよう」で終わる。
1on1をやめてほしいと感じたら
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面談を負担に感じている人は、3割近くいる
パーソル総合研究所が2024年6月に行った調査で、直近半年に1on1を受けた部下(n=1,500)が挙げた困りごとの1位は「面談の効果が感じられない」の29.7%だった。3位が「上司が多忙で、面談のスケジュール設定が難しい」の26.3%、4位が「面談前に何を準備すればよいかわからない」の24.2%(複数回答、上位5位まで公表)。
同じ調査で上司側の1位は「面談について学ぶ仕組みがない」の35.4%。「面談の効果が感じられない」を挙げた上司も27.6%いて、向かい合っている二人が同じところでつまずいている格好になる。
この数字から言えるのは、負担の感覚が特殊ではないということだけ。やめるべきかどうかの答えは出てこない。答えを出すには、自分の負担がどの条件から来ているのかを分けるほうが早い。
重いのは4つのうちどれか
| 条件 | 重いときのサイン |
|---|---|
| 頻度 | 予定表に面談が入るたびに気が重くなる |
| 1回の長さ | 話が10分で尽きて、残りが沈黙になる |
| 議題を誰が決めるか | 上司が進捗を順に聞く形で、自分からは持ち込めない |
| 共有範囲 | 話した内容がどこへ伝わるか分からず、言葉を選んでいる |
頻度が重い人と、共有範囲が引っかかっている人では、必要な交渉がまるで違ってくる。前者は回数を落とせば済む。後者は回数を落としたところで、1回あたりの緊張がそのまま残るので、話す範囲をどう決めるかという別の問題を先に片づけないと軽くならない。
自分がどれなのかは、面談が終わった直後に何を感じたかで分かれる。疲れたのか。無駄な30分だったという感じか。それとも、言えなかったことが残ったのか。
伝えるときは、条件を1つに絞る
会社の方針で入っている面談なら、上司に取りやめる権限がないことも多い。かわりに条件を1つ名指しする。
- 頻度が重いなら「月1回を隔月にして、間はチャットで済ませたい」
- 長さが重いなら「30分を15分にして、話すことがある回だけ延ばしたい」
- 議題が重いなら「進捗はメモを先に送るので、面談では別のことを話せますか」
どれも面談そのものをやめる提案ではないので、上司は受けやすい。そして半年経って予定が残っていなければ、その面談は実質的に止まっている。
会社の方針で行う面談は、もともと月0.5回
同じパーソル総合研究所の調査で、1on1のひと月あたりの平均実施回数は0.8回だった。実施のきっかけ別に見ると、部下が上司に提案して始まった場合は2.8回、上司からの提案では1.8回、そして会社の方針・義務として行っている場合は0.5回。
義務で入った面談がいちばん少ない。頻度を落としたいという要望は、多くの職場ですでに起きていることの後追いでもあるわけだ。同じ調査には、以前は1on1を実施していたが直近半年は経験していない部下が26.9%という数字もある(1on1実施率55.7%は誰の数字か)。
止まっている職場のほうが、最初から無い職場より多い。それが現状。
評価に反映されるのかは、聞いていい
本音を出せない理由が共有範囲にあるなら、やめる交渉より先に確かめることがある。1on1で話した内容が人事評価の材料になるのか、記録が上司の上司や人事に渡るのか。
聞き方は、面談の冒頭に置くのが摩擦が少ない。「ここで話したことは評価シートに書かれますか」「記録はどこまで共有されますか」。答えが「評価とは分けている」なら、そのつもりで話せばいい。「参考にはする」という答えでも、話す範囲を自分で決める材料にはなる。制度として分けている会社もあるし、決めていない会社もあって、聞かないかぎり分からない。
1on1の目的そのものが上司との間でずれている可能性もある。定義と、研究で確かめられている範囲は1on1とは何を指すのかに書いた。話すことが思いつかない、沈黙が気まずいという側の話は1on1で沈黙が続くときにある。
4週間、記録をつけてから決める
面談の直後に3つだけ書く。日付、話した内容の種類(進捗/相談/評価/雑談)、終わったあとの感覚(楽になった/変わらない/重くなった)。1行でいい。
4回ぶん貯まると、負担が面談そのものから来ているのか、特定の議題から来ているのかが見えてくる。進捗確認の回だけ重いなら議題の交渉で足りるし、どの回も重いなら頻度の話になるし、上司が変わった直後の数回だけ重いなら時間が解決する種類の負担かもしれない。
記録がないまま「やめてほしい」と言うと、上司からの「どこが負担なのか」に答えられない。答えられないと、運用の見直しではなく気持ちの問題として扱われる。
自分に合う面談の頻度は、人によって違う
月2回を負担と感じる人もいる。月1回では足りないと感じる人もいる。必要とする相談の量が人によって違う、という個人差の現れで、1on1の頻度はその差がいちばんはっきり出る条件でもある。
workprevu の診断では、いまの職場の面談の頻度や相談のしやすさを設問で記録して、自分が必要とする条件との距離を見る。やめてほしいという感覚を言葉にしにくいときの、材料になる。





