コールセンターの残業時間、平均10時間

コールセンターで働く人の残業時間に近い公的統計の値は、月10時間。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、職種「電話応接事務員」の超過実労働時間数が、2025年6月の1か月でこの値だった。集計に入った一般労働者は206,690人。

所定内実労働時間数は154時間なので、足すと総実労働時間は164時間になる。

統計での職種名は「電話応接事務員」

賃金構造基本統計調査は、職種を小分類で並べる。コールセンターのオペレーターに当たるのは「電話応接事務員」で、一般事務従事者のなかの1区分。受付・案内事務員や秘書と同じ並びに置かれている。

この区分に集計されているのは一般労働者、つまり所定労働時間がその事業所の通常の労働者と同じ人たち。1日6時間や週3日といった短時間勤務でセンターに入っている人は、短時間労働者として別の表にまとめられているため、ここで見ている206,690人のなかには1人も入っていない。コールセンターは短時間勤務の比率が高い職場なので、この10時間は「フルタイムで働いている人の平均」として読むことになる。

企業規模で残業が倍ちがう

企業規模 超過実労働時間数 所定内実労働時間数 労働者数
計(10人以上) 10時間 154時間 206,690人
1,000人以上 12時間 152時間 102,860人
100〜999人 9時間 155時間 87,080人
10〜99人 6時間 162時間 16,740人

大きい会社ほど残業が長い。1,000人以上と10〜99人のあいだには6時間の差があり、倍の開きになる。

ところが所定内のほうは逆を向く。1,000人以上の152時間に対し、10〜99人は162時間。10時間長い。超過と所定内を足した総実労働時間に直すと、1,000人以上が164時間、10〜99人が168時間となって、残業の短い側の会社で働く人のほうが、月の拘束としては4時間長く働いている計算になる。

大規模なセンターほどシフトが細かく組まれ、所定の時間そのものが短く設定されている、という読み方はできる。ただし、この表からそう確かめられるわけではない。読み取れるのは、所定内と所定外の配分が規模によって違うという事実まで。

他の事務職と並べると、真ん中あたり

職種 超過実労働時間数 所定内実労働時間数
企画事務員 11時間 158時間
電話応接事務員 10時間 154時間
秘書 10時間 156時間
庶務・人事事務員 9時間 159時間
総合事務員 9時間 157時間
その他の一般事務従事者 9時間 155時間
受付・案内事務員 6時間 161時間

事務の職種のなかで、電話応接事務員の残業はやや長い側。もっとも、いちばん長い企画事務員との差は1時間で、いちばん短い受付・案内事務員との差も4時間しかなく、事務職どうしを並べたときの開きは、産業のあいだで開く十数時間に比べればずっと小さい。業種別の数字は業種別の残業時間、最長20.6時間にまとめてある。

目を引くのは所定内のほう。電話応接事務員の154時間は、この7職種でいちばん短い。受付・案内事務員とは7時間ちがう。

男女で3時間の差

男性の超過実労働時間数は13時間、女性は9時間。労働者数は男性59,790人に対して女性146,900人で、女性が7割を占める。

全体の10時間という値は、人数の多い女性側に引かれた平均になる。男性の多い職場で働いているなら、比べる相手は13時間のほう。きまって支給する現金給与額も男性349.0千円、女性287.1千円と差があり、残業代の分だけでは説明しきれない開きが残っている。

この数字で言えないこと

調査が見ているのは2025年6月の1か月。年末年始の問い合わせが集中する時期や、キャンペーンで入電が増える月は、この平均に反映されていない。月ごとの振れは出てこない。

短時間労働者が入っていないことは、この職種ではとくに効く。時間帯を区切って働く人が多いセンターでは、職場の平均と、この表の10時間はずれる。

超過実労働時間数は、事業所が記録して報告した時間。終業時刻のあとに残った後処理や、シフトに入る前のシステム立ち上げと申し送りの確認が、勤怠上の労働時間として記録されていなければ、その分はこの10時間のどこにも入っていない。記録されているかどうかを確かめる場所は、自分の勤怠記録と給与明細の時間外の欄になる。

自分の月と比べたあとで、勤め先の時間の決まり方そのものを知りたくなったら、実労働時間とは何を指すかに定義と数え方をまとめてある。全体の平均が知りたい場合は残業時間の平均のほうが近い。

出典

  1. 令和7年賃金構造基本統計調査(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額等/厚生労働省/2025年6月分・一般労働者・企業規模10人以上(電話応接事務員206,690人)
  2. 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(統計表の一覧)/厚生労働省・政府統計の総合窓口
  3. 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(調査の概要)/厚生労働省