方針が変わって振り回されていると感じるとき、先に数えられるものが3つある。この1年で組織の体制が変わった回数、決まってから自分が知るまでの日数、方針変更で捨てになった作業の時間。どれも感想を挟まずに書き出せるので、上司との面談にそのまま持ち込める。続けるか動くかの判断は、この3つが4週間ぶん貯まってからでいい。
会社の方針が変わるとき、何を数えるか
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変わったのは決定か、説明か、自分の担当か
「会社の方針が変わる」という一語には、性質の違う3つが混ざっている。
ひとつ目は決定そのもの。事業の優先順位、組織の区切り、予算の配り方が動いたかどうか。ふたつ目は説明で、決まった内容がいつ、誰から自分に届いたか。3つ目は自分の担当業務。担当が何個入れ替わり、着手済みの作業がどれだけ差し戻されたか。
この3つは連動しない。決定が年に1回しかなくても、その内容が1か月遅れて人づてに届くような職場では手元がいつまでも落ち着かないし、逆に決定そのものが年3回あったとしても、自分の担当する仕事が動いていなければ週あたりの作業量は前の年と変わらない。
分けないまま上司に持ち込むと、話が不満の申告として受け取られる。先に分ける。
回数は0回、1回、2回、3回以上の4段で
「ころころ変わる」が指す頻度は、人によって違う。年2回を頻繁と感じる人もいる。四半期ごとの組み替えを前提にして働いている人もいる。
workprevu の診断では、所属している組織の体制がこの1年で何回変わったかを、0回、1回、2回、3回以上の4段で聞いている。段にしているのは、回数なら記憶をたどって確かめられるからで、「多い」「少ない」のほうは後から確かめようがない。
数えるのは、自分が所属している単位の体制。会社全体の組織図が何回動いたかまでは追わなくていい。自分の上に誰がいて、隣に誰がいるかが変わった回数を数える。合併や部門の新設のように全社に告知が出るほどの動きは年に1回だとしても、課の区切りの引き直しやレポートラインの付け替えは、その下でもっと細かい間隔で起きていて、告知も部内の連絡だけで済まされることが多い。
手帳やカレンダーをさかのぼると出てくる。異動の発表日、新しい体制の説明会、席替えの日。3つ以上並ぶなら、3回以上の段に入る。
説明が来ないのか、届くのが遅いのか
説明の有無は、あったかなかったかの2択になりやすい。記録するなら2つに分ける。
- 決まった日から、自分が知った日までの日数
- 知った経路(上司から直接/全体会議の資料/同僚から/社外の情報)
決定日が公表されていない場合は、「自分が知った日」と「自分の担当が変わった日」の差でもいい。前者が後者より後なら、担当の変更が先に来て、説明が後から追いついた形になる。
経路のほうが読み取りやすい。3回続けて同僚から先に聞いているなら、量の問題ではない。情報が流れる順番の末端に自分が置かれている。上司に頼むのはここで、説明が足りないという言い方をせずに、「次に体制が変わるときは、決まった日のうちに直接教えてもらえますか」と経路そのものを頼む形にすると、相手が対応できる範囲の話になる。
捨てになった時間を数える
振り回されている感覚の量は、やり直した作業の時間に出る。
1週間の終わりに、その週のうちに着手しておきながら方針が変わったせいで使わなくなった作業を書き出して、それぞれにかかった時間を足し、その週の総労働時間で割る。資料の作り直し、仕様の巻き戻し、連絡済みの相手への訂正。40時間のうち6時間なら15%。
4週ぶん並べると、やり直しが毎週まんべんなく起きているのか、体制変更の直後の1〜2週だけに集中しているのかが分かれてくる。後者なら、変更の時期を早く知る手立てのほうに効き目がある。前者は、決定の粒度が細かすぎるか、自分の着手が早すぎるかのどちらか。着手のタイミングには、自分で動かせる余地が残っている。
時間で出すと、話の相手が変わる。15%は、上司にとっても自分のチームの工数の話。
変化の速さに、合う点は1つではない
体制が年3回変わる職場を負担と受け取る人と、それを前提に動ける人がいる。どちらかが正しいのではなく、合う点が違う。
診断で扱う12の軸のうち、変化の速さは相対変数として置いている。労働時間や休みの日数のような絶対変数と違って、高い側にも低い側にも合う人がいる、という意味。手順が文書で決まりきっている職場でこそ力を出す人もいれば、ゴールの立て方から自分で決める仕事でなければ持たない人もいて、どちらの側も職場の条件としては測れる範囲に入っている。
自分がどちらなのかは、過去にうまく運んだ仕事を思い出すと出てくる。あれは定型的な業務だったか、期間の決まったプロジェクトだったか、新しく始めるものだったか。そこで手応えがあった側と、いまの職場の変化の速さが同じ側にあるかどうか。ずれていれば、頻度そのものが負担の出どころになっている。
進め方を自分で決められる範囲が広いと、同じ回数の変化でも吸収できる幅が変わる。裁量の測り方は裁量権とは、何を自分で決められるかに分けて書いた。逆に、変化が少なすぎる側で手応えが薄いときの切り分けは仕事が変わらない毎日を4つに割るにある。
方針が変わって見えるとき、代わったのは人かもしれない
上司が代わると、同じ方針の下でも優先順位の付け方が変わる。3年で3回代わっていれば、方針が3回変わったように見える。
もうひとつは決裁の位置。直属の上司が予算の使い道や人の配置を自分で決められるのか、その上に聞いているのか。上司が聞く側にいる職場では、決まった内容がいったん上司の手元で言い直されてから降りてくるぶん、自分に届くまでの日数が伸びるだけでなく、決定の理由のほうが先に削り落とされて結論だけが残ることもある。
どちらも聞けば分かる。「この判断はどこで決まりましたか」と1回聞くだけで、決定者の位置は見える。噛み合わなさの原因をほかから切り分けたいなら、上司と合わない原因を4つに分けるに4つの分け方を書いた。
今週やること
- この1年で、自分の所属する体制が変わった回数をカレンダーから数える
- 直近3回の変更について、知った日と知った経路を書く
- その週に方針変更で使わなくなった作業の時間を足す
- 次の面談で、3の数字と2の経路を出す
4つのうち、時間がかかるのは1だけ。あとは今週ぶんを書くだけなので、15分で終わる。
面談で何から出すか決まらないときは、1on1で上司に何を話すか、3行で決めるに議題の作り方がある。辞めた人がどんな理由を挙げているかは離職理由の推移、個人的理由10.2%に統計の側から並べた。
4週ぶんの記録が残ると、方針の変わり方は自分の職場の条件として書ける。そのうえで、どの速さが自分に合うのかを診断で測ると、いまいる位置との距離が数字で出る。





