有給休暇は何日か、2つの表で決まる

週5日働いて勤続6か月なら10日。6年6か月を超えると20日で、そこから先は増えない。年次有給休暇の日数を決めているのは勤続年数と週の所定労働日数の2つだけで、会社の裁量で法定の日数を下回らせることはできない(労働基準法39条)。繰り越したぶんを足した手元の上限は40日。

週5日勤務なら、この表のとおり

継続勤務年数 付与日数
6か月 10日
1年6か月 11日
2年6か月 12日
3年6か月 14日
4年6か月 16日
5年6か月 18日
6年6か月以上 20日

2年6か月までは1年ごとに1日ずつ、3年6か月からは1年ごとに2日ずつ増える。20日が上限。入社から3年たった人なら12日、5年なら16日と、節目は入社日の6か月後から1年刻みで来る。

週4日以下だと、日数が比例で減る

週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下(1年間の所定労働日数が216日以下)の人は、比例付与という別の表が使われる。

週の所定労働日数 1年間の所定労働日数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
4日 169〜216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121〜168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73〜120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48〜72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

注意したいのは、週4日勤務でもこの表に入らない場合があること。1日8時間で週4日なら所定労働時間は32時間になり、30時間未満という条件から外れるので、上の通常の表のほうが使われる。シフトが月によって変わる職場では、1年間の所定労働日数の欄で自分の行を探すほうが早い。

8割の出勤は、どう数えるか

付与の要件は2つ。雇入れの日から6か月の継続勤務と、その期間の全労働日の8割以上の出勤である。2年目以降も、前の1年の出勤率が8割以上かどうかで判定される。

分母になる全労働日は、就業規則などで決まっている所定労働日の数。分子の出勤日数には、実際に働いていない日でも出勤として数えるものがある。業務上のけがや病気で療養していた期間、産前産後の休業期間、育児休業と介護休業の期間、年次有給休暇を取った日。使用者が正当な理由なく就労を拒んだために働けなかった日も入る。

逆に、使用者側の経営上の事情による休業日や、不可抗力による休業日は、全労働日そのものから外れる。つまり分母が小さくなる。所定労働日が月ごとに変わるシフト勤務なら、シフト表に出ていた日数を1年ぶん足し上げてから、そのうち何日働いたかを数えるという順で出すことになる。順番が逆だと合わない。

8割に届かなかった年は、その年の付与がない。ただし勤続年数の数え方が戻るわけではないので、翌年に8割を満たせば、勤続年数に応じた日数が付く。3年6か月の人が1年飛ばしても、次に付くのは、その時点の勤続年数に対応する日数である。

繰越で40日、そこから先は消える

使わなかった有給は翌年に繰り越せる。ただし発生日から2年で時効にかかるので(労働基準法115条)、20日の人が1年まるごと残しても、手元に置ける上限は40日。繰越分と新しく付いたぶんのどちらから消費するかは法律が決めていないため、就業規則の定め方によって、先に時効で消える日数が変わる。

就業規則が法定を上回る日数を定めているなら、そちらが自分の日数になる。労働基準法は最低の基準を決めているだけで、下回る定めは無効になるが、上回る定めは有効。入社初日に10日を渡す会社もある。

次に増えるのは何月何日か

法律の起点は雇入れの日の6か月後。そこから1年ごとに付与される。

実務では、4月1日などに基準日をそろえている職場も多い。前倒しで付与された場合、自分の起点は就業規則に書かれた基準日のほうになり、入社日から6か月を数えると1回ぶんずれる。残日数を数える前に、まず基準日を確かめる。

10日以上付与された人は、5日が義務になる

2019年4月から、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者が5日ぶんの時季を指定して取得させることが義務になった(労働基準法39条7項)。管理監督者も含む。比例付与でも、週4日勤務で勤続3年6か月なら10日に達するので対象に入る。

本人が自分で取ったぶんや計画年休で5日に達していれば、使用者の時季指定義務は消える。ここで数える5日に、時間単位で取ったぶんは含められない。

残日数の減り方は取得の単位で変わる。原則は1日単位で、半日単位は本人が希望して使用者が同意した場合、時間単位は労使協定があれば年5日を限度に認められる。

付与された日数と、使えた日数は違う

厚生労働省の就労条件総合調査(2025年調査、令和6年1年間の実績、有効回答3,820社)では、労働者1人平均の付与日数が18.1日に対して、取得日数は12.1日だった。付与されたうち6日ぶんが使われていない計算になる。

この6日の差がどこで開くかは、職場の属性によって違う。企業規模で見た取得率の差は有給取得率、企業規模別で4.1ポイント差、業種で見た差は有給取得率、業種別で24.5ポイント差にまとめた。平均そのものの読み方は有給取得率の平均は66.9%のほう。

自分の残日数を確かめる3点

  • 就業規則の年次有給休暇の条項。基準日と、法定を上回る日数の定めがあるか
  • 給与明細または勤怠システムの残日数表示。繰越分と当年度分が分かれて出ているか
  • 繰越分の発生日。2年の時効が先に来るのはどの日数か

就業規則が手元にない職場でも、労働基準法106条が使用者に周知を義務づけているので、どこに備え付けられているかを聞くところから始められる。この3つが合わないときは、勤怠システムの表示ではなく就業規則と法定の表を基準に数え直す。年度末に残日数が急に減っていたなら、時効で消えた日数と、会社の時季指定で使われた日数のどちらなのかを分けて確かめる。取りにくさそのものの切り分けは有給が取りづらいとき、何から動くかに書いた。

出典

  1. 年次有給休暇制度について(2021年4月1日 資料2-1。勤続年数別の付与日数、取得単位、年5日の時季指定)/厚生労働省
  2. 労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱 別添2(第24条の3 所定労働日数が少ない労働者への比例付与の日数表)/厚生労働省 2000年11月30日発表
  3. 年次有給休暇(しっかり学ぼう!働くときの基礎知識)/厚生労働省「確かめよう労働条件」/付与の要件、出勤率の算定で出勤扱いになる日、年休権の消滅時効
  4. 年次有給休暇取得促進特設サイト(年5日の時季指定義務。時間単位年休は5日に含めない)/厚生労働省
  5. 令和7年就労条件総合調査 結果の概況(第5表 労働者1人平均年次有給休暇の取得状況)/厚生労働省/令和6年1年間の実績・有効回答3,820社