テレワークとは、場所の3区分

テレワークは、情報通信技術を使って職場の外で働くこと。厚生労働省のガイドラインは「労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務」と定義していて、業務を行う場所に応じて在宅勤務・サテライトオフィス勤務・モバイル勤務の3つに分かれる。

意味の幅はここで決まる。自宅で働くことだけを指す語ではないし、情報通信技術を使わない外勤は入らない。在宅勤務は3つのうちの1つ。

区分の基準は、業務を行う場所

ガイドラインの区分は場所だけで引かれている。

在宅勤務は、労働者の自宅で行う勤務。通勤を要しないので、事業場での勤務のときに通勤へ使っていた時間を柔軟に使える。短時間勤務と組み合わせたり、保育所の近くで働いたりすることが可能になる働き方として挙げられている。

サテライトオフィス勤務は、労働者の属するメインのオフィス以外に設けられたオフィスを利用する勤務。シェアオフィスとコワーキングスペースも含まれる。ガイドラインは、通勤時間を短縮しつつ在宅勤務やモバイル勤務以上に作業環境の整った場所で就労できる働き方と書いている。

モバイル勤務は、ノートパソコンや携帯電話等を活用して臨機応変に選択した場所で行う勤務。外勤の移動時間を使えるのが特徴。

普段のオフィスとは異なる場所で余暇を楽しみつつ仕事を行うワーケーションも、情報通信技術を利用して仕事をするなら、モバイル勤務かサテライトオフィス勤務の一形態として分類できるとされている。

在宅勤務とリモートワークの位置

3つの語の関係は対等ではない。在宅勤務はテレワークの一形態で、公的な定義がある。テレワークにも定義がある。リモートワークという語は、厚生労働省のガイドラインに出てこない。

だから求人票や社内の案内で「リモートワーク可」と書かれていても、それが在宅勤務なのか、サテライトオフィスを含むのか、月に何日なのかは語だけでは決まらない。確かめる先は語ではなく、就業規則と労使の取り決めのほう。

測り方は、やったかどうかと、何日かの2段

調査の数字は2通りの測り方で出ている。1つは本人に聞くもので、直近1年間にテレワークをしたかどうかを答えてもらう形。もう1つは企業に聞くもので、制度として導入しているかどうかを答えてもらう形。

本人に聞いた実施率は令和7年度で16.8%、企業に聞いた導入率は常用雇用者2,000人以上で82.1%。同じ「テレワークの広がり」を測っていても、聞く相手が違えば数字の意味が変わる。

やっている人の中では、頻度に幅がある。1週間あたりの平均は週2日以上で、週5日以上の人と年に数日の人が両端に厚い。職種による差はテレワーク職種別の実施率にまとめた。

自分の職場を測るなら、3つ目の軸が要る。就業規則と労使の取り決めに何と書かれているか。

労使で決めておく項目が並んでいる

ガイドラインは、テレワークを制度として導入し実施するにあたって、あらかじめ労使で十分に話し合いルールを定めておくことが重要な項目を挙げている。

  • 導入目的
  • 対象業務
  • 対象となり得る労働者の範囲
  • 実施場所
  • テレワーク可能日(労働者の希望、当番制、頻度等)
  • 申請等の手続
  • 費用負担
  • 労働時間管理の方法や中抜け時間の取扱い
  • 通常または緊急時の連絡方法

このうち費用負担は、本人の手取りに直接関わる。ガイドラインは、個々の企業ごとの業務内容や物品の貸与状況によって取扱いが異なるため、労使のどちらがどのように負担するか、使用者が負担する場合の限度額、労働者が使用者に費用を請求する場合の方法等を決めておくべきとしている。在宅勤務にかかる通信費などは、勤務時間等の実態を踏まえて合理的・客観的に計算して支給することも考えられる、という書き方。

テレワークでも労働時間は算定される

場所が変わっても、通常の労働時間制度は適用される。始業・終業の時刻にテレワークを行う労働者ごとの自由度を認めたいなら、使用者があらかじめ就業規則に定めておく。

フレックスタイム制は、テレワークになじみやすい制度としてガイドラインに挙げられている。在宅勤務の日は労働時間を短くしてオフィス勤務の日を長くする、中抜けした時間ぶんその日の終業時刻を遅らせる、テレワークの日だけコアタイムを設けないといった運用が示されている。

事業場外みなし労働時間制は、条件が2つ付く。情報通信機器が使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと、そして随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと。この2つを満たす場合に適用できる。

解釈も書かれている。勤務時間中に労働者が自分の意思で通信回線を切断できる場合、回線は切れないが情報通信機器から自分の意思で離れられて応答のタイミングを労働者が判断できる場合、会社支給の携帯電話を持っていても折り返しのタイミングを自分で判断できる場合。いずれも1つめの条件を満たすと認められ、機器を所持していることだけで制度が適用されなくなるわけではない。

2つめは、使用者の指示が業務の目的、目標、期限等の基本的事項にとどまり、一日のスケジュールをあらかじめ決めるなど作業量や作業の時期、方法等を具体的に特定するものでない場合に満たすとされている。

対象から外されている理由を見る

テレワークの対象者を選ぶとき、ガイドラインが止めていることがある。正規雇用労働者と非正規雇用労働者のあいだで、あらゆる待遇について不合理な待遇差を設けてはならないという法律があるので、雇用形態の違いのみを理由としてテレワークの対象者から除外しないよう留意する必要がある、と書かれている。

業務の要因で社内に偏りが出る場合は、実施する者の優先順位や頻度について、あらかじめ労使で十分に話し合うことが望ましいとも書かれている。自分が対象外になっている理由が業務の中身なのか、雇用形態なのか。ここは分けて確かめられる。

条件として記録する

テレワークができるかどうかは、職種と、会社が決めたルールの組み合わせで先に決まっている。自分の努力では動かない層にある条件。

書き写すのは4つ。形態(在宅かサテライトかモバイルか)、週に何日まで認められているか、費用負担の決まり、適用されている労働時間制度。この4つに実際の実施日数を4週ぶん足すと、制度として認められている範囲と、実際に使えている範囲の差が数字で残る。

出典

  1. テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省、2021年3月25日改定)