実装を担当する人の残業は、月12時間だった。令和7年賃金構造基本統計調査で「ソフトウェア作成者」として集計された一般労働者817,860人の超過実労働時間数で、2025年6月の1か月ぶん、企業規模10人以上の値。この区分の平均年齢は37.1歳、平均勤続年数は9.9年。
同じ調査を年齢階級で割ると、20代前半の7時間から25〜29歳の14時間まで、2倍の開きがあった。
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実装を担当する人の残業は、月12時間だった。令和7年賃金構造基本統計調査で「ソフトウェア作成者」として集計された一般労働者817,860人の超過実労働時間数で、2025年6月の1か月ぶん、企業規模10人以上の値。この区分の平均年齢は37.1歳、平均勤続年数は9.9年。
同じ調査を年齢階級で割ると、20代前半の7時間から25〜29歳の14時間まで、2倍の開きがあった。
賃金構造基本統計調査の職種小分類に、プログラマーという名前の枠は置かれていない。情報処理・通信技術者の下にあるのは「システムコンサルタント・設計者」「ソフトウェア作成者」「その他の情報処理・通信技術者」の3つで、実装を主に担当している人は、事業所が調査票に書いた職種によってこのどれかに入る。人数がいちばん多いのはソフトウェア作成者の817,860人。
職種は名刺の肩書きで決まらない。実際に従事している仕事の内容で分類されるので、「プログラマー」という肩書きでも要件定義が業務の中心ならシステムコンサルタント・設計者に数えられていることがある。3職種を横に並べた数値はSEの残業時間、平均は月11時間にある。技術者と名の付く12職種との比較はエンジニアの残業時間、平均は8〜20時間。
この記事で扱うのは、ソフトウェア作成者の1区分を年齢階級で割った表(職種第5表)。企業規模別の切り口は上のSEの記事と重なるので、ここでは企業規模計(10人以上)の列だけを使う。
| 年齢階級 | 超過実労働時間 | 所定内実労働時間 | 労働者数 |
|---|---|---|---|
| 〜19歳 | 11時間 | 161時間 | 630人 |
| 20〜24歳 | 7時間 | 158時間 | 108,530人 |
| 25〜29歳 | 14時間 | 159時間 | 188,070人 |
| 30〜34歳 | 13時間 | 161時間 | 128,960人 |
| 35〜39歳 | 13時間 | 161時間 | 91,670人 |
| 40〜44歳 | 14時間 | 160時間 | 86,420人 |
| 45〜49歳 | 11時間 | 159時間 | 78,270人 |
| 50〜54歳 | 12時間 | 159時間 | 63,250人 |
| 55〜59歳 | 11時間 | 158時間 | 44,590人 |
| 60〜64歳 | 10時間 | 155時間 | 24,330人 |
| 65〜69歳 | 3時間 | 157時間 | 2,950人 |
| 70歳〜 | 16時間 | 168時間 | 180人 |
| 計 | 12時間 | 159時間 | 817,860人 |
20〜24歳の7時間が、人数が1万人を超える階級のなかで最も短い。そこから25〜29歳で14時間に上がり、40〜44歳でもう一度14時間に戻る。45歳以降は11〜12時間で落ち着き、60〜64歳の10時間まで少しずつ下がっていく形。
7時間と14時間の段差は、入社直後の数年に何か別の条件がかかっていることを示す。この表だけでは、研修期間中で任される範囲が狭いのか、残業の申請が制限されているのか、担当している工程が違うのかは区別できない(推定も含めて確かめられない)。
ただし20〜24歳の所定内実労働時間は158時間で、25〜29歳の159時間とほぼ同じ。所定内の長さは変わらないまま、超過だけが倍になっている。働く時間の枠は最初から同じで、超過の部分だけが年次とともに積まれていく。
全産業の平均と比べたい場合は、別の調査になる。毎月勤労統計調査で見た残業時間の平均は月9.8時間で、調査も対象も違うため同じ表の数字として並べられない。
超過の欄だけを追うと、働いている時間の合計を取り違える。所定内と超過を足した時間を年齢階級で並べると、20〜24歳が165時間、25〜29歳が173時間、30〜34歳と35〜39歳と40〜44歳がいずれも174時間、45〜49歳が170時間、60〜64歳が165時間になる。
残業の欄で7時間と14時間、つまり2倍あった差は、合計では165時間と174時間の9時間差。比率にすると5%ほど。残業が短い階級が、働いている時間の合計まで短いとは限らない。
超過実労働時間数は、事業所が給与計算に使った時間を調査票に書いたもの。申請されていない時間はここに入らない。裁量労働制やみなし労働時間制が適用されている人の時間は、制度上のみなし時間で計上される場合がある。
n の小さい階級も読み方に注意が要る。65〜69歳は2,950人、70歳以上は180人で、全体817,860人に対して0.4%と0.02%。65〜69歳の3時間と70歳以上の16時間は、少ない人数の中の構成で大きく動く値なので、年齢による傾向としては扱えない。
産業別の内訳もこの表には無い。情報通信業で働いているソフトウェア作成者と、製造業の社内開発にいるソフトウェア作成者は、同じ行に合算されている。業種で割った数値はITの残業時間、平均は15.8時間にある。
固定残業代が設定されている職場では、支給額と実際の超過時間の対応が見えにくい。読み方は固定残業代とは、何を見れば分かるかに書いた。
12時間という数字は、自分の残業が多いか少ないかを決めるものではない。使えるのは、自分の年齢階級の値と自分の月の超過時間を並べて、差が何時間あるかを出すところまで。25〜29歳で月30時間なら、同じ階級の14時間との差は16時間。
所定内の時間も一緒に見ておきたい。就業規則に書かれた所定労働時間と、タイムカードに残っている時間の差は、超過の欄とは別の数字。この2つを4週ぶん記録すると、自分の職場の時間の構造が、月ごとの気分とは別に残る。
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