2025年1年間の離職率は13.7%だった。男性は12.5%、女性は15.1%で、2.6ポイントの差がある。厚生労働省の令和7年雇用動向調査が、常用労働者5人以上の事業所から層化して無作為に抽出した約1万5,000事業所を対象に集計した値で、同じ年の入職率は14.7%。出ていった人より入ってきた人のほうが1.0ポイントぶん多かった1年になる。
離職率の平均13.7%、男女で2.6ポイント差
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100人の職場なら、1年で約14人が抜けた計算
離職率は、1年間の離職者数を1月1日現在の常用労働者数で割って100を掛けた値である。年初に100人いた事業所から13.7人。名簿で誰が残ったかを追いかける作りにはなっておらず、1年のあいだに動いた人の量を、年の初めにいた人数に対する割合として表している。
前の年、2024年の離職率は14.2%だった。0.5ポイント下がっている。入職率のほうは14.8%から14.7%への0.1ポイント低下にとどまったので、入職超過率は0.4ポイント広がって1.0ポイントになった。同じ数字を10年ぶん並べると、上下の幅は1.9ポイントに収まる。年ごとの動きは離職率の推移、10年の幅は1.9ポイントに置いた。
就業形態で割ると、一般労働者11.4%に対してパートタイム労働者19.9%。同じ年の数値を定着率に裏返した内訳は定着率の平均は86.3%にあり、産業との組み合わせまで置いてある。
男性12.5%、女性15.1%
| 区分 | 入職率 | 離職率 | 入職超過率 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 13.4% | 12.5% | +0.9 |
| 女性 | 16.1% | 15.1% | +1.0 |
| 男女計 | 14.7% | 13.7% | +1.0 |
女性のほうが離職率で2.6ポイント高い。ただし入職率も2.7ポイント高く、入職超過率で見ると女性が+1.0、男性が+0.9で、どちらも入ってきた人のほうが多い。抜けやすさの差というより、出入りの回転そのものの速さが違っていると読むほうが、2つの率の形には合う。
この差には就業形態の違いが折り込まれている。パートタイム労働者の離職率は19.9%で一般労働者の11.4%の1.7倍あり、女性のほうがパートタイムの比率が高いので、性別で割った値にはその構成の差がそのまま乗る。
離職理由で割ると、個人的理由が10.2%
| 離職理由 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 個人的理由 | 10.2% | 8.8% | 11.7% |
| 事業所側の理由 | 0.9% | 0.9% | 0.8% |
| 差し引き(契約期間の満了・定年・その他) | 2.6% | 2.8% | 2.6% |
| 離職率 | 13.7% | 12.5% | 15.1% |
個人的理由は、結婚・出産育児・介護看護・その他の個人的理由の合計。事業所側の理由は、経営上の都合・出向・出向元への復帰の合計。前者が10.2%で、離職率13.7%のうちのおよそ4分の3を占めており、残りの3.5ポイントぶんを事業所側の理由とそれ以外の理由が分け合っている。
個人的理由は前年から0.5ポイント下がり、事業所側の理由は0.1ポイント上がった。男女で分けると、個人的理由が男性8.8%・女性11.7%で2.9ポイント開き、事業所側の理由は男性0.9%・女性0.8%でほぼそろう。女性の個人的理由が前年から1.2ポイント下がったぶん、男女の開きはその前の年より縮んでいる。
注意がひとつ。この離職理由は、辞めた本人ではなく、離職者がいた事業所が答えたものである。本人が何を理由に挙げるかを聞いた集計は別にあり、転職理由ランキングにまとめた。
差し引き2.6%は、契約期間の満了と定年
13.7%から個人的理由の10.2%と事業所側の理由の0.9%を引くと、2.6%が残る。ここに入るのは、契約期間の満了、定年、その他の理由。自分の意思で職場を離れた人だけを数えた率ではない、ということが引き算で確かめられる。
「離職率が13.7%」と聞いたときに思い浮かべる像は、たいてい自分から辞めた人の話になるけれど、実際には定年を迎えた人も、契約の期間が切れて職場を離れた人も、まったく同じ1件として分子に数えられている。
分母をどこに置くかで、数字は動く
この調査の分母は1月1日現在の常用労働者数で固定されている。年の途中で入ってきた人は分母に入らず、その人が年内に辞めれば分子にだけ入る。手元で同じ式を作るときは、ここをそろえる。
よく使われるもう1つの数え方は、ある時点で入った人を名簿で追いかけて、何年後に何人残っていたかを見るもの。4月に入った10人が3年後に7人なら30%。式が違えば同じ職場の同じ期間から違う値が出てくるので、どこかで見た離職率と自分で計算した数字を並べる前に、分母がいつ時点の在籍者数なのかを確かめておく。
この13.7%で言えないこと
標本調査である。約1万5,000事業所から全国の状態を推計しているので、1ポイント前後の上下をそのまま順位の差として読むことはできない。常用労働者5人未満の事業所は、そもそも枠の外にいる。
産業を絞れば値は大きく動く。16大産業をならした13.7%は、どの産業にも当てはまらない位置にあるとも言える。産業別の数値は同じ調査の別の集計にあり、そちらは別の記事の種として残してある。
同じ企業のなかの異動は、離職に数えない。部署が変わって顔を見なくなった人は、この率のどこにも出てこない。企業をまたぐ出向のほうは、別の表で扱いが分かれている。
学校を出たばかりの人を追った集計とは、単位が違う。3年以内離職率が大卒で33.8%という値は3年ぶんの累積で、この13.7%は1年ぶん。数字の大きさを直接比べられない。数え方の違いは3年以内離職率は大卒33.8%に書いた。
13.7%と、自分の部署
去年1年で自分の部署から抜けた人数を、年初の在籍者数で割る。20人の部署で3人なら15%。分母を年初の在籍者数にそろえておけば全国の13.7%とまったく同じ作りの数字になるので、部署という小さな枠のなかで、平均との距離をそのまま測れる。
そのうえで、率には出てこないものが3つある。抜けた人の勤続年数。後任が来るまでの週数。辞める理由を本人から聞けたかどうか。
3つとも、離職率が同じ職場でも違う。数字の大小より、この3つの記録が4週ぶん貯まったときのほうが、自分の職場で起きていることをよく映す。





